子どもの本音を探れ! コドモ博士の哲学トーク第7回

「子どもの繊細な性格を武器にする」

「子どもの本音を探れ! コドモ博士の哲学トーク」、今回は「繊細な子どものキモチ」。「子ども=元気いっぱい」なイメージ。そのせいか繊細な子どもを持つと戸惑いを感じたり、「鍛えて強くしないと」と感じたりする親も少なくありません。実は筆者の5歳長男も「超」が付くほど繊細な性格。「育てにくい」「損」「治すべき」といわれるこの性格。はたして本当にそうでしょうか?

「子どもの繊細な性格を武器にする」

 

理想より目の前の子ども

K

K:昨夜、ママとパパが話しているのを聞いちゃったんだ。ボクが繊細な性格だから、パパは「男らしくない」ってイライラしてた。ママだって、ボクの育てかたに戸惑ってるんでしょう。

Kママ

ママ:たしかにパパは、苛立ちや焦りを感じてるみたいだわ。「オレが鍛えてやる」って言ってたわね。

K

K:ボクはただ「ありのままの自分」で生きているだけなんだ。それなのに「育てにくい」とか、「この性格は治さないと」って言われる。ねぇ、ボクは何かおかしいの? 病院に行って治さないといけないの?

Kママ

ママ:いいえ、ありのままでいるあなたが普通よ。間違っているのは、イメージや理想を押し付けている私たちね。日本は「子どもは元気いっぱい」というイメージが強いの。つい私も、「世間の理想の子どもらしさ」を求めていたわ。大事なのは理想を追うのでなく、目の前のあなた自身を見ることなのにね。

繊細って治すべき?

K

K:でもパパは「Kの性格を治す」って言ってたよ。鍛えるとか、男としての闘志を燃やすとか…。

Kママ

ママ:ママはそんな必要ないと思うの。そもそもKは、燃やす闘志も持ってないでしょう。

性格って、治すものなのかな? 実はママも就職したときに、性格を治そうと2年間もがいたことがあるの。でもどんなに頑張っても少し変わったくらいで、結局すぐ元に戻っちゃった。それに元々その性格を備えている人には、遠く及ばないのよね。特に子どもの頃に現れている性格は、治らないでしょうね。

K

K:ママも試行錯誤したんだね。

Kママ

ママ:それともう1つ。パパがあなたにイライラするのは、パパ自身が繊細だからなのよ。パパは自分の繊細さを、受け入れきれていない部分があるのよね。ありのままの自分を受け入れない限り、いくつになっても悩んだり、葛藤したりすることになるわ。パパが自分の繊細さを受け入れれば、あなたの良き理解者になると思うのだけどね。

繊細は「人間にしか持ち得ない武器」

K

K:でもボクって、「損な性格」なんでしょ? ボクと正反対の元気いっぱいの弟は、みんなから「得な性格」って言われるよね。

Kママ

ママ:国や地域、時代や人が変われば、価値観も変わるのよ。たしかに今の日本社会では苦労する場面もあると思うわ。でもママは、これからの時代こそ繊細は武器だと思ってる。

K

K:武器? 繊細なのに?

Kママ

ママ:繊細な人は感受性豊かで、普通の人よりも「気付き」が多いわ。問題発見や解決能力、またアイディアを出すことにも向いてるわね。対人関係でも、相手の本音やニーズに気付くことが得意。共感力もあるから、人から信頼されやすいでしょう。

難しいことを言っちゃったけど、何でもコンピューターが処理をするようになるこれからの時代、繊細さは「人間にしか持ち得ない武器」だと思うの。私は繊細さをもっと磨いて武器にほしいと思ってる。それと同時に、好きなものを見つけることね。そうすれば好きなことのプロになれると思うわ。

K

K:よくわからないけど、ボクはこのままでいいんだね!

Kママ

ママ:そうね。繊細なことを、気負う必要は全くないわ。むしろもっと表現したほうがいい。あなたが気付いたこと、思ったことを口に出して、行動にしていっていいのよ。そうすれば適材適所で、あなたの合うもの・合う人が見つかるでしょう。

 

提案:「繊細を治すデメリット」にも、目を向けてみましょう。実は性格を治すメリットはほぼない一方で、デメリットはかなり大きいのです。性格は治すことよりも、活かす方法を考えてみてはいかがでしょうか。