繊細な長男と体育会系のパパ、二人の関係を変えたのは?

「繊細過ぎて嫌になる」「このままだとすごく苦労する」「鍛えないと」「闘志を燃やしてやる」-これが長男について話していた、以前の夫の言葉。

 

5歳の長男は、「超」がつくほどの繊細、かつ石橋を壊れそうになるぐらい叩いてから渡るほど慎重な性格だ。そんな長男に夫はイライラしていた。そのイライラは隠しきれるものではなく、長男との関わりの中でもしばし表れていた。夫と長男の関係に、私は人知れず悩んだものだ。

 

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夫のイライラを分析

新しい場所に行けば人見知りや場所見知りが激しく、怖がりでブランコに初めて乗ったのは5歳になってから、女の子とお絵描きをして遊ぶのが好きな長男。動物が好きで優しくて、人への気遣い力は大人以上。そんな長男に、体育会系の夫はイライラしていた。

 

そのイライラは普段の言動にも表れていて、どこか長男を見下したり、無理な要求をしたりすることもある。それはヤンチャな次男が生まれてからより顕著になった。「長男と夫は折り合いが悪い。長男が寂しい思いをする」と私は悩んだ。

 

夫のイライラを分析すると、その理由は2つあるように思う。1つは夫が体育会系の中で育ったから、体育会系男子としてはナヨナヨした男子が嫌なのだろう。同性特有の問題だ。

 

もう1つ、私からみれば実は夫も長男と同じく、繊細で慎重なタイプなのだ。夫は自分の繊細な性格に葛藤を抱きながら、長男に自分を重ねているので余計に苛立つ。「繊細な夫がありのままの自分を受け入れれば、長男の良き理解者になるのに」と大雑把なタイプの私は思うのだ。

キッカケは長男に芽生えた自信

このまま2人は折り合いの悪いままかと悩んだ矢先、先日引っ越しを機に3週間帰省した。幼馴染婚の私たちは、実家・義実家ともに近所。両家の生活スタイルの違いから、「昼は実家、夜は義実家」で暮らすことになった。

 

両家とも、孫命の祖父母。人と遊ぶのが好きな長男に喜んで付き合ってくれるため、彼は1日フルで人と遊ぶことができた。普段、夫の帰りは遅く、私は赤ちゃんである次男の世話や家事で忙しい。長男とじっくり遊べる時間がとても少ないのだ。

 

また、育児では「感情的に怒る」と「冷静に叱る」は分けられるが、ほとんど誰も長男を怒らなかった。もちろん叱るべきときには、誰もがきちんと叱る。しかし叱る場面さえあまりなく、祖父母といることで心に余裕ができた私も、怒ることはほとんどなかった。その代わりに、たっぷりの愛情表現と賞賛を彼は受けた。

 

遊んで、褒められる-たったそれだけのことだが、長男の様子が変わってきた。もちろん元の性格は変わらないが、自信がついてきたのだ。気後れや尻込みすることが、日に日になくなっていった。

決定打はオモシロ義父の存在

実は上記のようなことは、今までの帰省でもあった。今回ガラッと変わったのは、義父の存在が大きいだろう。5歳になって将棋やトランプ遊びにハマっている長男は、毎晩義父と遊んでいた。

 

ユニークな性格の義父は、遊びながら5歳が喜びそうな面白い言葉を連発したり、歌ったりなどのリアクションをとっていた。見事ハマった長男は、言葉や歌を真似る。それを繰り返しているうちに長男にもユニークさがうつり、まるで「義父の子分」のようになった。私は「本物の親子みたいにウマが合う」と驚いた。

 

2人の様子を見て気付いたのは、長男は人に影響を受けやすいタイプということ。人は「人に影響を与える人」と「人に影響を受ける人」に分かれる。義父は前者であり、長男(夫も)は後者。長男は明るい義父と過ごすことで、その影響を受けたのだ。

 

帰省から戻ると、夫は「長男が変わった」と連発するようになった。2人のやり取りを見ると、夫が長男をきちんと「1人の人間」として扱うようになった。それは長男に「自信と心の余裕」が生まれたからなのだ。

鍵は「自信」と「明るい人」

今回の帰省で学んだのは、繊細な長男には「自信」と「明るい人」が必要だということ。根っこの自信を固め、明るい人が引っ張ってやると、いつもどこか不安気だった様子が吹き飛んだのだ。また祖父母と触れ合うことで、「ママやパパ以外に頼れる大人がいる」という安心感も生まれているように感じる。

 

核家族に戻ったいま私が気を付けているのは、一緒に遊ぶ時間を増やすこと。そして影響を与えるタイプである私が、明るくいることだ。ママとパパ以外の人とも触れ合えるよう、なるべく祖父母と交流する機会を増やしたり、他の大人と触れ合ったりする機会も作りたいと思っている。

 

元の性格は変えられないが、「自分を信じられること、自分を好きでいること」が繊細な子には大切だと思う。