地方で過ごす夫婦暮らし

ちょっとずつ夫婦に、一歩ずつ家族になる愛しい時間 吉原さんご夫妻インタビュー(長野県)

夫婦インタビュー

長野県北部、野尻湖の湖畔に佇む一軒のサンデープラニング・ゲストハウスLAMP。この自然豊かな地でアウトドアインストラクター・ガイドとして働くのが今回の主人公である吉原遊さんと奥様です。2人が刻む日々には、恋人、夫婦、そして家族としての愛しい時間が流れていました。

 

遊び相手は「自然」 暮らしのなかで四季をはっきりと感じる贅沢な日々

ちょっとずつ夫婦に、一歩ずつ家族になる愛しい時間 吉原さんご夫妻(長野県在住)

長野県北部、野尻湖の湖畔に佇むサンデープラニング・ゲストハウスLAMPは、アウトドアスクールの宿泊施設を改装し2014年にオープンしました。スタッフ総出で作り上げた室内は古材を使ったウッディな仕上がり。「アウトドアを楽しむ人、野尻湖の周囲に広がる自然を愛する人に格安で泊まってもらいたい」という想いが込められています。

ちょっとずつ夫婦に、一歩ずつ家族になる愛しい時間 吉原さんご夫妻(長野県在住)

そんなサンデープラニング・ゲストハウスLAMPでアウトドアインストラクター・ガイドとして働く遊さんのフィールドは大自然。春は山菜採り、夏はカヤック、カヌー、ラフティング、SUP、秋はきのこ狩り、冬はスノーシューツアーやクロスカントリーツアーと多彩なアクティビティをガイドしています。

このアウトドアスクールは、遊さんのご両親が始めた事業。両親に連れられて小さい頃から自然とともに生きることを教えてきてもらった遊さんにとって、アウトドアインストラクターはまさに天職と言えます。

ちょっとずつ夫婦に、一歩ずつ家族になる愛しい時間 吉原さんご夫妻(長野県在住)

「信濃町に高層ビルや商業施設はないけれど、きれいな空気と水、豊かな自然が織りなす四季折々の表情があります。ここで育った僕たちにとっては当たり前の景色ですが、『“何もない”が特別なことなんだ』って、インストラクターの仕事を通して実感しています」

奥様も同町の出身。現在は小学1年生と生後2ヶ月の2人のお子さんの育児に専念していますが、以前はLAMPのレストランを手伝っていたとのこと。

「上の子は長野市内で暮らしていた時期があり、信濃町に戻って来たばかりの頃は遊びかたがわからなかったんです。お金を払って遊ぶことは知っていても、自然の中で道具も使わずに遊ぶにはどうして良いのかわからないという感じ。

そんなとき遊び相手になってくれたのが今の旦那さん(遊さん)。野生の鳥や動物を見つけては「あれは〇〇という鳥で、ポケモンでいうと〇〇くらいのレア度だよ。リアルポケモンGOだね!」と2人ではしゃぎ、あっという間に仲良くなっていました。」

実は2度目の結婚となる奥様。中学の同級生であるお二人は、青春時代を過ごした信濃町で10年ぶりに再会し、2016年に入籍をしました。

 

夫婦円満の秘訣はお互いの得意分野を評価し、信頼すること

ちょっとずつ夫婦に、一歩ずつ家族になる愛しい時間 吉原さんご夫妻(長野県在住)

やんちゃ盛りの小学1年生と生まれて間もない赤ちゃんの子育ては、自分の時間がほとんどないと言っても過言ではありません。そこに加わるのが日々の家事。いくら専業主婦とはいえ、パンクしたりイライラしたりすることはないのでしょうか。

「正直、あります(笑)。私が子どもを寝かしつけている間に食器を洗ったり洗濯物をたたんだり、するべきことはたくさんあるのに呑気にテレビを見ているときなんかは、『なんでやってくれないの?』と荒々しい態度で当たってしまうこともありました。

でも彼に悪気はなく、本当に気がつかなかっただけなんですよね。これをやってちょうだい、こうしてほしいということを素直に口にすると、嫌な顔ひとつせず手伝ってくれるんです。言葉にするって大切なんだなぁって改めて感じました。

家事についてはそれぞれの100点があって、彼の中では100点でも私にとっては60点ということも。それでも『良し』とするのが円満な家事分担の秘訣だと思います。高望みはせず、手伝ってくれたことに感謝する気持ちを忘れないようにしています」(奥様)

「家事能力は妻のほうが断然優れているのは明らかなこと。かといって甘えっぱなしじゃなくて、自分がやれることは積極的にやるようにしています。妻が下の子の世話でつきっきりになるので、上の子の世話は僕の担当。

毎朝学校に遅れないように朝食を作り、帰ってきたら子ども2人まとめて一緒にお風呂に入れ、妻の作ってくれた夕食を食べ、洗い物をして、上の子の歯の仕上げ磨きをして寝かしつける。

僕の担当はその辺りですが、その他の掃除・洗濯・夕食の準備などの大変なところは妻にお任せしています。下の子の世話で手一杯だろうに、毎日僕のお弁当に大きなおにぎりを作ってくれる妻には大変感謝しています」(遊さん)

前職は料理人だった遊さん。ニュージーランドでお店を任されていた経験もあるほどの腕を持ちます。そんな遊さんが作るトマトソースは絶品なのだとか。

「休みの日の料理は父ちゃんの担当。長男は彼が作るトマトソースが本当に大好きなんですよ」(奥様)

それぞれの得意分野を生かし、上手に家事や育児を分担している吉原夫妻。同級生夫婦ならではの「あ・うんの呼吸」を感じますね。

 

焦らず、一歩ずつ、夫婦の基盤は10年かけて築いていく

ちょっとずつ夫婦に、一歩ずつ家族になる愛しい時間 吉原さんご夫妻(長野県在住)

お互いを尊重し認め合っている吉原ご夫妻ですが、10年ぶりに再会し、付き合いをはじめたときは迷いもあったと言います。

「デートするにも2人の時間を過ごすにも、まずは子どもが一番。普通の恋人同士というわけにはいかなかったので、彼には戸惑いもあったはず。でも、彼のほうも子どものことを常に一番に考えてくれて。一緒に遊んでくれるお兄さんから、息子と少しずつ距離を縮めてくれたことが嬉しかったですね」(奥様)

「僕にとってはそれほど特別なことじゃなくて、彼女と子どもはワンセット。結婚を決意したときにはすでに父親になる覚悟は決まっていました。とはいえ、いきなり父親になれないのは当然のこと。一緒の時間を過ごすことで父と息子になっていったんだと思います」(遊さん)

晴れて夫婦に、家族になった2人。夫婦喧嘩をしたときの仲直りの秘訣についいてお聞きしました。

「女性の場合、つい言いすぎちゃうことってありますよね。いつまでも意地を張っていては負の連鎖を断ち切ることはできません。そんなときは子どもを抱っこするときのように、私のことも抱っこして! って、素直に甘えるようにしています(笑)。それだけで心が穏やかになりますよ」(奥様)

「男は黙って飲み込め! ですかね。言いすぎてしまったことは誰よりも本人が分かっていて、本気で言っているわけじゃないはず。そこに売り言葉に買い言葉で反論しても何も解決はしません。妻が怒っているときはSOSのサイン。妻の怒りを飲み込み、丸ごと受け止めることが夫の役目だと思っています」(遊さん)

 

2人が目指す、夫婦のありかたとは

ちょっとずつ夫婦に、一歩ずつ家族になる愛しい時間 吉原さんご夫妻(長野県在住)

「ある人に、夫婦の基盤は10年かけて築くもの、そこからがスタートだって教えてもらったことがあります。いくら付き合いが長くても、夫婦として私たちはまだ新米。お互いが大切にしている世界観に土足で踏み込まないように気をつけています」(奥様)

「最初の出会いは同級生で、そこから恋人になって、妻になり、父親と母親になりました。そんな僕たちでも夫婦という関係は未知数。焦らず、ゆっくり築き上げていきたいですね」(遊さん)

付き合いはじめたときから現在に至るまで、夫婦で過ごす時間があまりなかったという吉原夫妻。子育てがひと段落したら、2人で旅行をすることが夢だと語ってくださいました。

刻み始めたばかりの同級生夫婦の時間は、これからもゆっくりと、優しく時を刻んでいくことでしょう。

サンデープラニング・ゲストハウスLAMP