親や兄弟よりも気を遣わないでいられる」 – おしどり夫婦が語る、パートナーとの向き合いかた –

今回インタビューを受けてくださったのは、結婚5年目の江藤さんご夫妻です。お二人の出会いは職場。現在は奥様の美帆さんが立ち上げた会社を夫の慎治さんがサポートしており、休日も一緒に出掛けることが多いのだそう。

 

多くの時間を共に過ごすお二人は、どんなふうにお互いと向き合っているのでしょうか。

 

江藤慎治さん・美帆さん

 

<職業>
スナップマート株式会社 代表取締役CEO(美帆さん)
スナップマート株式会社 リードエンジニア(慎治さん)

 

<家族構成>
夫婦二人暮らし
※2011年に結婚

 

<勤務曜日と帰宅時間>
平日勤務が中心で、土日に働くこともある。
一緒に仕事を終えて一緒に帰る毎日。

「親や兄弟よりも気を遣わないでいられる」  - おしどり夫婦が語る、パートナーとの向き合いかた -

結婚について思うこと

‐ 今は、結婚に対する価値観が二極化していて、結婚前に試行錯誤をしておいて離婚しないつもりで結婚する(したい)と考える人と、結婚をお付き合いと似た感覚で捉えていて、結婚後の試行錯誤や、合わなかったらパートナーを変えることはやむを得ないと考える人がいるように感じています。
個人の自由なので正解はありませんが、お二人はどんなふうにお考えですか?

 

美帆さん(※以下、敬称略):
他人にオススメできるかはさておきとして、私は圧倒的に後者です。私はこれまでに2回、夫は1回結婚を経験しているのですが、結婚にかぎらず、1回のチャレンジでベストの結果を出すことって運の要素もあるし、なかなか難しいと思うんですよ。だから、仕事でも私生活でも、なるべく早く行動して、早く失敗して、トライアンドエラーを繰り返して成功に近づいていくほうが満足のいく結果が得られるような気がしていて。
相手もいることですし、子どももいたらそんなにカジュアルに離婚はできないですが、「絶対1回で成功させないと」と意気込むこともないんじゃないかな? とは思います。

 

‐ お二人にとって、「結婚」とはなんでしょうか?

 

美帆:
結婚は、してもしなくても良いものなのかもしれませんが、ちょっと夢のない話をすると、「相互扶助」ですかね。「互助会」みたいな(笑)。失業したり、体調を崩したり、人生にピンチがおとずれたときに夫婦だと助け合えますよね。助けてもらいたいのもありますし、助けてあげたいとも思いますし。とくに「助けてあげたい」って思えるかが大事なのかも。

 

慎治さん(以下、敬称略):
僕も同じです。
あとは、やっぱり一人だと寂しいですし、味気ないですよね。一人より二人で生きていくほうが良いなと思いました。そう思ったきっかけは3.11だったかもしれません。

この人なら「無理しなくても良い」と思えた

‐ 結婚の決め手になったことはなんでしたか?

 

美帆:
私はもう一生結婚はしないだろうなぁと思っていたときに彼と出会ったんです。自分がこの人と結婚したいと思ったというよりは、なんかいろんな人に騙されたりしてたんで、放っておけないなと思って(笑)。

 

‐ お付き合いしていた頃には、結婚したらどんな生活を送りたいと考えていましたか?

 

慎治:
自然体でいられて、無理をしないで過ごせたら良いなと思っていました。

 

美帆:
私も同じです。過去の経験から、本来の姿を変えてまで結婚生活を維持していくのは絶対無理だとわかっていたので。

 

‐ どんな人がパートナーだったら自然体でいられますか?

 

美帆:
相手を変えようとしない人かな?

 

慎治:
感覚的に自然体でいられると思える人ですかね。
僕たちは、「そろそろ掃除をしないとまずい」と感じる我慢の限界点や、生活面で気になる部分が近いんです。お互いにあまり細かいタイプではないので、掃除も気づいたほうがやります。こういった感覚的な部分は、付き合っている段階でなんとなくわかっていたので、お付き合い後1ヶ月で結婚しました。

 

‐ ちょうど先日、知人からこんな相談を受けたんです。
その子は彼と同棲しているんですが、彼女は几帳面で家の中をキレイに使うタイプなんですね。それに対して彼は大らかで、例えば、洗顔の泡立て網に泡がついたまま流さないんだそうです。当初は彼に言えば直してくれていたそうですが、最近はもう直してくれないらしくて。生活面でのそういった小さい出来事の積み重ねがストレスになっていて、これからずっと一緒にいられるのかが不安なんだそうです。私は彼女にアドバイスをするわけでもなく、ただ話を聞いていたんですが、どう思われますか?

「親や兄弟よりも気を遣わないでいられる」  - おしどり夫婦が語る、パートナーとの向き合いかた -

 

慎治:
その、「直さない状態」がきっと彼の素ですよね。
だから、彼は変わらないと思いますし、結婚したらもっと使いかたが大らかになる可能性があります。
そんな彼を受け入れられるかどうかが鍵なんじゃないでしょうか。「結婚したら変わってくれるかも」とは間違っても思わないことです。

 

‐ なるほど。知人に伝えます(笑)。ちなみに、こういう場合はパートナーに指摘しますか?

 

慎治・美帆:
しないです。気になったら、何も言わないで掃除しますね。言って直るものなら、これまでの人生の中でとっくに直ってるでしょうし。

 

‐ 「相手を変えようとしない」っていう先ほどのお話とつながるところですね。これ以外に、向き合い方やコミュニケーションについて何か大事にしていることはありますか?

 

美帆:
うーん、特にないです。夫と一緒にいると、実家の家族よりも気を遣わなくて良いので、一人で生活しているのと何も変わらないんです。

新婚の時と同じ楽しい気持ちが今も続いている

‐ 結婚前に相手に対して好きだと感じていた部分は、増えたり減ったり変わったりしましたか?

 

慎治:
変わらないですね。妻は、ズバズバホントのことを言ってしまうところが変わっていないです。

 

美帆:
同じく、変わらないですね。夫は、正直なところが変わっていないです。

 

‐ お互いの同じような部分が好きなんですね。ケンカはします?

 

美帆:
結婚して5年、気持ち悪いくらいケンカしたことがなかったんですが、一緒に仕事をするようになってからは、しょっちゅう衝突するようになりました。私はビジネスサイドの人間で、彼はエンジニアなので、仕事のやり方にお互いダメ出しすることが多いんですけども。プライベート面でのケンカは今もしないですね。

 

‐ ケンカの仲直りはどうやってしていますか?

 

美帆:
その場で言いたいことを言って終わりです。もともと、ケンカというより仕事上の意見交換なので、日をまたいで持ち越すようなことはないです。

 

‐ これまでに離婚の危機はなさそうですね。

 

慎治・美帆:
ないですね。
あったら別れてます(笑)。

 

‐ 日々、どんな時に相手から「ありがとう」と言われますか?

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美帆:
色々なときに言うんですが、寝る前に、「生きていてくれてありがとう」って言っています。自分が年とったせいかもしれませんが、ただ元気で、毎日同じようにそこにいてくれるだけでありがたいなと。バツあり同士ということもあって、お互いに多くを望んでいないんだと思います。最初の結婚のときは、「結婚とはこういうもの」という思い込みが強すぎたり、「男の人はこうあるべき」という自分なりの理想があって、勝手に期待して勝手にがっかりしてたんですけど…。あと、感謝の気持ちはちゃんと口に出して言わないと伝わらないんだなっていう反省もあって、いまはなるべく口に出して言うようにしています。

 

‐ 「何かをしてくれてありがとう」ではなくて、存在に感謝できるって素敵ですね!  では、「この人と結婚して良かった」と思ったエピソードを教えてください。

 

慎治・美帆:
毎日思います。
何か特別なエピソードがあるわけではないんですが、今回は、新婚の時と同じような楽しい日々が今も続いているんです。

 

美帆:
若い頃はずっと「良い人と結婚したら幸せになれる」と思っていましたが、前の夫はホントに人間的にも素晴らしい人だったのにうまくいかなくて、「なんでだろう?」「自分は結婚に向いてないんだな」と思っていました。でも夫と結婚して、相手が優れた人かどうかって自分の幸せとはあんまり関係ないんだなって気づきました。こんなふうにありのままでいられて、お互いストレスがたまらない相手と出会えたのは奇跡的なことだと思うので、そのことに一番幸せを感じます。

 

慎治:
お互いに飾っていないので、結婚してから「知らなかったこと」が出てくることがないんですよね。その安心感というか、信頼感は大きいですね。

これからも何も変わらずに

‐ これから磨きたいところは何かありますか?

 

慎治:
すみません、特にないです。

 

美帆:
私は、もっと奥さんっぽいことがしたいです(笑)。健康に気を遣った料理を作るとか。感謝しているわりには行動が伴っていないので、そこは反省しています。

 

‐ これからの夫婦生活についての希望・野望は何かありますか?

 

慎治・美帆:
このままが続いたら良いですね。何も変わらないのが幸せかな。「一緒に死ねたら良いね。一人だけ残ってもね。」って話をよくしています。

 

 

ライター所感:

終始、「自然体」「気を遣っていない」といったコメントが多く、穏やかな雰囲気に包まれていたお二人。
「人に細かな指摘をしない」「期待しない」など、そのスタンスにとても共感する部分が多く、自分の恋愛と重ねながらお話を伺ってきました。

 

仕事でも一緒、家でも一緒、休日も一緒、それでも、毎日「結婚してよかった」と思い、「この人と一緒に死ねたらいいな」と思う。なかなかない、素敵な出会いですよね。
これからも末永く、お幸せに!
…なんだか新婚さんへのコメントみたいになってしまうのは、5年が経っている今もお二人が新婚さんみたいに仲良しだからでしょうか。