子どもに対する「しつけのイライラ」を減らす方法とは?
夫婦のお悩み解決コラム次男も1歳半を過ぎ、食事など自分1人でしたがることが増えてきました。これからおおよそ3歳までに食事、トイレ、着替え、靴を履くなど一通り自分でできるようになります。同時並行で、イヤイヤ期も到来しますよね。
この頃、子どもへのイライラが増えるママも多いのでは? 1人でやらせると時間がかかるし、やり直しが必要だし、汚すし、できたと思ったらまたできなくて後戻り…など、かなり根気のいるもの。どうしてもイライラしてしまいがちですが、対処法はないか探してみました。
親は「楽しみに待つ」しかない
児童精神科医である佐々木正美先生著書の『子どもへのまなざし』(福音館書店)に、その答えがありました。
佐々木先生はしつけをする上で大切なことを、「くり返しそのこと(しつけの内容)を伝えながら、本当にあなたがここで上手にできるようになるのはいつか、楽しみに待っていてあげるからという気持ちですね。そしてその時期は自分で決めなさい、自分で決めればいいのですよといってあげることです」と伝えています。
とは言っても「早くできるようになってもらわないと困る」というのも親の本音。
もちろん佐々木先生も親側の意見を承知の上で書いていますし、私自身「楽しみに待つなんて正直ムリ…」と思いました。でも親が子どものしつけにイライラするのは、「何十回言っても理解しない子どものせい」ではなく、「子育て環境にも問題がある」と気付いたのです。
親が1人きりで忙しいからイライラする
たとえば、子どもが食事中に味噌汁をこぼしたとします。ママが1人の場合、「も〜味噌汁は片付けるのが大変なのに…早くタオルを持ってきて、机を拭いて、タオルを洗って、着替えもさせなきゃ。代わりの味噌汁も持ってきて、今度はこぼさないように私が食べさせないと。寝かせる時間がまた遅くなる…」など考えるでしょう。
これが夫や祖父母がいる場合、「タオルを持ってきて」「代わりの味噌汁を温め直すから、着替えさせて」「タオルを洗うから食べさせてあげて」と頼めます。
ママがイラっとしても、「ありゃーまたやっちゃたね〜(笑)」という場の空気を和ませる笑いや、「でも今日は昨日よりも沢山食べてからこぼしたね」と成長に目を向けるフォローがすぐさます。イライラしたことさえ忘れ去ることができるでしょう。
1人で全てをやろうとするのではなく、積極的に夫や祖父母など、身近な人に助けを求めていくのがおすすめです。
親として覚悟を決めてしつけよう
どんなにイライラしたとしても、結局しつけを完了するためには、親は何百回と言って聞かせ、その子ができるようになるまで待つしかありません。
それなら同じ時間を過ごすのに一日中イライラして子どもに怒り、子どもが萎縮したり泣いてしまう状況も、楽しみに待つ選択をとりませんか? それには「親としての覚悟」が必要。親が覚悟をきっちり決めないと、またイライラの毎日に逆戻りです。
佐々木先生が言うように、「楽しみに待ってあげる」という目線や、「できる時期は自分で決めればいいよ」という心でいられているか。常に自分に問い直したいものです。
そのためにあらかじめイライラしない環境作りをしたり、家事負担を減らして親側の心の余裕を保ったり、時には実母やママ友などに愚痴を言ったり、できるようになったことを紙に貼って楽しみにするなどの「環境作り」も大切。
しつけが終わってしまえば、逆にしつけ中を懐かしく思うものです。二度と戻らない時間だからこそ、楽しみに待つ視点を持てるよう見直してみてください。