「子どもがいます。でも、私も夫も自分の人生を大事にしている」  – 妻が語る、夫婦の向き合いかた – 

夫婦のお悩み解決コラム

パートナーとの向き合いかたをお伝えするシリーズの最終回。今回、取材を受けてくださったのは、女性のライフ・子育て支援事業を行う企業の経営者、城梨沙さんです。

 

城さんご夫妻には2歳のお嬢様がひとり。家事は旦那様のほうがたくさんこなしているそうですが、それぞれが自分の実現したいことをきちんと大切にしています。そんなお二人は、お互いにどう向き合っているのでしょうか。

「子供がいます。でも、私も夫も自分の人生を大事にしている」  - 妻が語る、夫婦の向き合いかた – 

 

城 梨沙さん

<職業>

株式会社エスキャリア・ライフエージェンシー 代表取締役

 

<勤務曜日と帰宅時間>

平日は毎日19:00頃に帰宅

 

<旦那様の職業>

出勤にフレキシブルな仕事に従事

 

<家族構成>

夫、子ども1人(女2歳)

※2009年に結婚

良い意味で予想がつかない相手との絆

-学生時代のアルバイト先で知り合った男性と結婚されたんですよね。

独身時代、旦那様のどんなところを良いなって思いましたか?

 

城さん(※以下、敬称略):

自分と全然違う分野にいるところですね。職業的にも先が見えない面白さがあって。これから仕事を通して彼がどうなっていくのか、そして、彼が関わっている世界がどうなっていくのか、横で見ていてなんか面白そうだなって思ったんです。

 

-きっと、お互いにお金がある時期・ない時期があると思うんですけれど、それも含めての「面白さ」ってことですか?

 

城:

そうですね!
実際、二人ともお金がなかった時代もあって、私の実家が1つ空いていた時に一緒にそこに住んでいたこともあります。家賃がかからないので。お互いに何者でもないときに出会って、いろんな時期を乗り越えているので絆は強いんじゃないかな。

感情的になりやすいから工夫しています

-ケンカはしますか?

 

城:

子どもが生まれてからは、時間の取り合いのケンカがめちゃくちゃあります。「こんなに忙しいのに何で自分ばっかり○○をやらなくちゃいけないんだ」のようなケンカ。

 

だいたい私が主人をカチンとさせている気がします。理想論かもしれませんけど、もっとお互いの立場を考えた言葉がけをしないといけないなって思います。

 

-どうやって仲直りしていますか?

 

城:

主人はケンカ中でも理性を保って話ができるんですが、私は感情的になりやすいので、自分の感情が整理できないときには、何にもやもやしていたのか、落ちついてじっくり考えてからパソコンでメールを書いて送っています。

 

でも、娘の前では夫婦ゲンカをしないように気をつけています。娘が寝てから話をするとか、タイミングは気にしていますね。

 

-旦那さんは、家庭内で気をつけていることは何かありそうですか?

 

城:

どうなんでしょうね。聞いてみたいですね。

ただ、私のすることや考えかたは色々衝撃的過ぎて、「いちいち気にしていると壊れるから、何も見ない、聞かないって感じで流している」とは言われたことがあります(笑)。

「子供がいます。でも、私も夫も自分の人生を大事にしている」  - 妻が語る、夫婦の向き合いかた – 

オーストラリア人のライフスタイルを目指して

-今の仕事に携わる前に、ご主人の仕事の都合でオーストラリアに住んでいたことがあるんですよね。

 

城:

はい。行く前は、「どんな生活になるんだろう~」とワクワクした気持ちでいました。

 

でも、すぐに専業主婦は合わないことに気づいて。私は、時間がありすぎる状態が苦手みたいです。「日本に帰りたい」って夜中にベッドを叩いて泣いたこともあったくらい(笑)。「私から仕事を取っちゃだめなんだな」って思いました。

 

-今は、夫婦それぞれに毎日どんな時間の使いかたなんでしょうか? 何か工夫していることはありますか?

 

城:

お互いにチャレンジしたいことがあったら応援し合っていますが、子どもがいるので飲み会の予定ひとつ入れるのでも常に対話して折り合いをつけています。予定はGoogleカレンダーで共有していますし。

 

子どもがいると、お互いに家にいても家事やら仕事やらで追われていて、夫婦でゆっくりした過ごすことは少ないですね。子どもが寝てから寝る直前までPCに向かって仕事をしている日もあります。

 

私は、打ち合わせなどがあって主人に比べると時間に融通がきかないので、子どもの送り迎えは主人がやってくれることが多いです。家事分担比率は、主人7:私3。私が家で料理をするのは週1回あるかないか。

 

主人のほうが私よりも家事力が高いし、子どもへの接しかたもうまいんですよ。子どもの遠足のお弁当も彼がつくってくれたりして。

「子供がいます。でも、私も夫も自分の人生を大事にしている」  - 妻が語る、夫婦の向き合いかた – 

 

私はご飯当番の日が苦痛なんですが、主人が予め食材を仕込んで「あとはこれをやるだけで食べられるよ」ってメールをくれたり、「今日は外食にしようか」って言ってくれたりするんです。

めちゃくちゃありがたい!

 

今の生活は、結果的にこうなっていました。

彼はいわゆる「主夫」ではありません。経済的な部分を私が担っているわけではなく、二人とも仕事をしていて、自分のやりたいことやキャリアは諦めていない。

 

だから、午後から主人に打ち合わせが入っている場合には「午前中から自分の時間にして良いよ」って言って家のことを私がやるようにしたりして、彼の時間をつくるように心がけています。

 

それから、週1回は外部に掃除代行を依頼しているんです。区のサービスなので料金も安くて、月4回で¥8,000です。富裕層でなくても利用できる。いくらでもやりくりできる金額ですよ。

 

子どもがいると、毎日料理を作らなくちゃいけないので本当に大変。だから、自分の会社で「ES(エス)キッチン」という料理代行サービスをつくってしまいました。今後は、週1回くらいこれを利用していきたいです。

 

人に家事をお願いすることで、子どもと遊ぶ時間ができたり、仕事をする時間が確保できたりするとこんなにも夫婦がお互いに自分らしくいられるんだなーって実感しています。親である私たちの心が整った状態で子どもに向き合うほうが、子どもにとっても良いと思いますし。

 

「オーストラリア人のライフスタイル良いよね」って二人で話していて、お互いの原点になっています。

 

私たちが見てきたオーストラリアの人たちは、17:00以降はオフィスにいないんです。一度主人の会社の飲み会に参加したことがあるんですが、スタートが17:00からで19:00には解散して家族と過ごす、って感じでした。「今日は娘の誕生日なので15時に帰ります」っていうのが通用しますし、男性も家事や育児を一緒にやっていて、休日に男性がベビーカーを引く姿を目にすることも。

 

日本人に比べるとゆるくて、家族と一緒に過ごす時間を大切にしているし、人生を楽しんでいるなって思いました。日本人もこういう生活を実現できたら、めちゃくちゃ幸福度が高い国になるんじゃないでしょうか。

うまくいく夫婦の条件

-どんな夫婦がうまくいくと思いますか?

 

城:

お互いが大切にしているものを「良いな」って感じられている夫婦はうまくいくと思います。例えば、私は、仕事をしたり自分のコミュニティーを持ったりして外側にエネルギーが向いているので、そういう私を良いと思ってくれる人じゃないと絶対にうまくいかない。

 

主人は、私に家庭的な要素がないことを予めわかった状態で一緒になってくれたと思います。女性に対して「こうあってほしい」っていう固定観念を持っていない人なので、生きかたも考えかたもすごく柔軟。彼のほうがはるかにいろんな能力が高いと思うんですけど、私の良い部分は褒めてくれるし、考えかたも応援してくれる。「自分よりすごい女性にならないでほしい」っていう雰囲気もないんです。

 

それから、主人も私も異性に対して気が多いタイプじゃないので、異性の存在によって自分の心を安定させようとしていない。よそ見をする暇があったら仕事をしていたいって思っている。そういうところも、うまくいっている要因のひとつかもしれません。

 

-精神的な部分を含めた自立は大事ですよね。

 

城:

そう! たとえば、「自分が稼げていないからパートナーはお金持ちが良い」とか、自分にないものを埋めようとして相手を選んでしまうと、それ以外の部分で満たされない部分が出てきた時にうまくいかなくなる。

 

相手に色々求める人は自分が満たされていないんじゃないでしょうか。

 

恋愛や結婚がうまくいく人は、自分で自分を幸せにできる人だと思います。自分が自分の足で立っていれば、その分相手とも対等でいられますし、相手のことも思いやれる。私は、そのために全勢力を注いできました。

 

そして、自分がもっと自由になりたかったからこそ、自分の会社で料理代行サービスをつくりました。

自分たちがつくっていくサービスで、これからどれだけ人を幸せにできるかな? こういうことを考えながら歩んでいく人生の方が、面白いんじゃないかな。

 

 

ライター所感:

城さんの考えかた、すごく好きだなって思いました。彼女のように自分で自分を幸せにできる人は、「それぞれの人がどれだけ大切な存在なのか」を感覚的に知っているので、周囲の人を幸せにするための方法をたくさん思いつく。そして、接しかたも丁寧。

 

色々なタイプの方に取材させていただき、仕事ではない時間にも多くのかたと対話をして、私なりに、うまくいく夫婦とはなにかを見つけることができたような気がします。大事なのは、「思いやり」と、「相手の優しさに甘えすぎないこと」。「お互いの自然体を尊重すること」。そして、「きちんと想いを伝え合うこと」。これら以外のことは、それぞれの個性によって変わるかなと感じました。

 

結婚していてもしていなくても、人は必ず別の誰かと関わりながら生きています。自分のことだけを考えて雑に接してしまうと、関係はすぐに壊れてしまう。決して簡単にはいかないからこそ、人と関わることは面白いのかも。

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