ビジネススキルを活用した「夫婦関係カイゼン実践講座」

ほっておくとすぐに汚くなってしまう家を綺麗に保つための方法

夫婦のお悩み解決コラム

この連載では夫婦の間に起こるさまざまな問題を、ビジネスフレームワークを使って解決することを提案しています。第4回である今回のテーマは「住まいの片付け」。本・クツ・バッグ・洋服・食器&調理器具・子どものおもちゃ・ガジェット類など、放っておくとモノってどんどん溜まっていきがちですよね。

しかし、当然のことながら収納スペースは限られています。レンタルルームなどのサービスはコストがばかになりませんし、必要時にすぐに取り出せないためモノを死蔵させてしまう可能性も。スキマを見つけて収納スペースや家具をプラスする「かしこい主婦」的な解決策もありますが、根本的に発想を変えないとすぐにモノはあふれかえってくるでしょう。

住まいの片付けを効率的に行うために使うのは「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」というフレームワーク。これを使ってスッキリ片付けてしまいましょう!

 

5Sを使って住まいを片付ける

住まいの片付けという問題は夫婦それぞれの価値観に由来するものですから、往々にして夫婦喧嘩の原因にもなりえます。たとえば、仕事から疲れて帰ってきた夫が散らかった部屋を見て不機嫌になったり、不自然に多い日用品のストックにあきれたり、夫のコレクションに妻がため息をついたり…。

この事態は「片付いている状態」のレベルが夫婦で異なるために発生するのではないでしょうか。

今回使用する5Sは、日本生まれのスローガンでありフレームワークです。もともとは製造業やサービス業などでの職場改善が目的でしたが、現在では経営や業務の管理全般に使われています。

住まいを5Sでスッキリ片付ける

5Sは単に職場をキレイにすることが目的なのではなく、職場が一丸となって生産性の向上を目指すもの。最終的にメンバー全員で取り組まなければ意味がありません。会社で行う場合は、一種のショック療法として経営陣が率先して掃除を行うこともありますが、家庭では夫婦がしっかりと意思を確認しながら進めていくことになります。

まず、「住まいを片付ける」ということの目的や必要性を夫婦で話し合って確認することが大切です。これが十分でないとどちらかに「やらされ感」が出てしまい、長続きしません。

 

1. 「整理」のフェーズでは、パレートの法則を頭に入れて

最初の「整理」では、必要なモノと不要なモノを仕分けしていきます。実はこのフェーズが最も労力を必要とします。作業量が多いうえ、何をもって「不要」とするかの判断が難しいのですね。

まず、下記のように基準を作って分類していきましょう。

  1. よく使うモノ
  2. たまに使うモノ
  3. ほとんど使わないモノ(たとえば、この1年使っていない)
  4. 全く使わないモノ(数年以上使っていない)

このうち、(1)と(2)は残していきます。そして(4)は処分。問題は(3)の「ほとんど使わないモノ」ですが、まず(3)にあてはまるものを一カ所に集めて夫婦で吟味していきましょう。

この時に頭に入れておきたいのがパレートの法則です。「80:20の法則」とも呼ばれるパレートの法則はイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した法則で、「ものごとの多くは上位20%のものが全体の80%を占める」というもの。例えば、「売上げ上位20%の商品が、総売上げの80%を占める」「上位20%の営業スタッフが、総売上げの80%を占める」といった具合です。

この法則を、例えば食器や洋服などに当てはめて想像してみてください。重要な20%にあてはまるものはおおむね(1)の「よく使うモノ」か、(2)の「たまに使うモノ」に該当しているのではないでしょうか? この基準を念頭に、「捨てる」か「残す」かの仕分けを行っていきます。

 

2. 「整頓」フェーズでは、ものの置き場所を決める

捨てるモノと残すモノが決まれば、次は整頓のフェーズです。必要なとき、すぐに取り出せるように片付けていきます。

ポイントは、モノの置き場所をしっかりと決めるということ。

本棚に入り切らない本は無理に詰め込むのではなく、再度整理のフェーズに戻って減らせないか吟味します。5Sにおいては、単にモノを納めることが目的なのではなく、しっかりとした基準のもとに管理するということが大切になるからです。

 

3. 「清掃」フェーズでは、徹底的にキレイに

整頓が済んだら清掃のフェーズです。気持ちよく過ごせるよう、徹底的に掃除を行ってください。モノが少なくなり掃除がグンとしやすくなっていることに気づくはずです。

さらに、美しい状態が保てるよう定期的に掃除をするルールづくりを行います。キッチンは毎日、トイレは2日に1度など、場所ごとに掃除の頻度と担当者を決めるようにするといいでしょう。

ここまでの整理・整頓・清掃が「3S」と呼ばれます。この3S を徹底し(清潔)、ルール化・習慣化(しつけ)することで、片付いた状態が保たれ5Sが完成するんです。

 

5Sのメリット

「片付けぐらいで仕事の効率が上がるの?」といった疑問をお持ちかもしれませんが、とんでもありません。実は5Sは利益を追求するための組織づくりに欠かせないものとして、世界中で評価されているフレームワーク。

具体的には、下記のようなメリットがあると考えられています。

 

職場における5Sのメリット

  • 5Sの実行を通じて社内コミュニケーションが深まり、風通しのいい職場の風土づくりができる
  • モノの情報が共有できるため、同じモノを購入するといったロスが防げる
  • ムダなモノがない環境のため仕事への集中力が高まる
  • 必要なモノがすぐ取り出せるため作業効率が上がる
  • ムダなモノがないため工場などでの事故が減る

これらのメリットは職場はもちろん、家庭に置き換えても不可欠なものですよね。

 

家庭における5Sのメリット

  • 5Sの実行を通じて夫婦間のコミュニケーションが深まる
  • スッキリとした環境で暮らすことで気持ちに余裕ができる
  • 「あれ、どこにしまったっけ」などと探し回ることがなくなる

 

いかがですか? メリットがとても大きな5S、ぜひご夫婦で取り組んでみてください。