夫が言うことを聞かない! スムーズに「お願い」するコツとは
夫婦のお悩み解決コラム言うことを聞いてくれない夫に、イライラすることはありませんか? 夫が言うことを聞いてくれない場合、そこには必ずなんらかの理由があります。やみくもに「なんで○○してくれないの!」と不満をぶつけるのではなく、まずはその理由を探してみましょう。
今回は、なぜ夫が妻の言うことを聞かないのか、夫に言うことを聞いてもらうにはどうすればいいかをご紹介します。男女の脳の構造や置かれた立場の違いを理解すれば、妻のイライラ・モヤモヤが解決できるかもしれません。
この記事でご紹介すること
1. 夫が言うことを聞かない理由とは?
妻から見た夫への不満のひとつに、「夫がなかなか言うことを聞いてくれない」というものがあります。夫婦の性格や置かれた状況によってさまざまな原因がありますが、夫が妻の言うことを聞かない理由として多いのは以下のとおり。
妻の言いたいことがきちんと伝わっていない
例:「私が出かけている間に赤ちゃんを見ていてほしい」と夫に頼んだら、おむつやミルクなどの世話をせず本当に「見ている」だけだった
妻は「見ていてほしい」という言葉の中に「赤ちゃんがおなかをすかせて泣いたらミルクを作って飲ませ、オムツが汚れたら替えてほしい」という意味をこめていますが、夫には妻の意図がきちんと伝わっていません。
毎日赤ちゃんの世話をしている妻にとっては「赤ちゃんの様子を観察して、必要に応じてミルクやおむつの世話をすること」が当たり前ですが、妻より育児経験の少ない夫にとってはハードルが高すぎるんですね。
また、一般的に女性は「100%言葉にしなくても自分の気持ちを察して欲しい」、男性は「きちんと言葉で言わなければわからない」傾向があると言われています。男女の思考回路が違うため、このようなすれ違いが起こりやすいようです。
物事に対する優先度が異なる
例:夫に食器洗いをお願いしたら、口では「わかった」と言いつつなかなか行動に移さない
この場合、夫は必ずしも食器洗いを嫌がっているとは限りません。ただ、夫にとって「食器洗い」という仕事の優先度がそれほど高くないので、つい後回しにしてしまうのです。
見かねた妻がイライラしながら自分で食器洗いをすると、夫は「後でちゃんとやるつもりだったのに、自分のことを信用してくれていないのか」と思ってしまうことも。
性格や状況によって
以下のような要因があると、「○○をして(しないで)ほしい」と言うだけでも強く反発されてしまう可能性があります。
- 他人から命令されるのが苦手な性格
- 自分のミス・欠点を認めるのが苦手な性格
- 夫婦喧嘩がこじれて意固地になっている
達成感・やりがいが得られない
言われたとおりにしたのにダメ出しをされたり、「ありがとう」の一言がなかったりすると、誰だって大なり小なりモヤモヤするもの。
また指示が細かすぎて夫が自分の裁量で動く余地がないと、夫もやる気を感じにくくなってしまいます。外での仕事に例えるなら、「いつまでも新人扱いされてやりがいのある仕事を任せてもらえない」に近いでしょうか。
言いかたが気に入らない
人によって程度の差はありますが、人間は多かれ少なかれ感情で動く生き物。高圧的に命令されたり「あなたが悪い」と一方的に決め付けられたりすると、いかに相手の言い分が正しくてもすんなり従う気にはなれないものです。
相手に自分の意思が伝わらないとついイライラしてしまいますが、命令口調ばかりになったり勢いに任せて余計なことを言うのはNGですよ!
2. 言うことを聞いてもらうための言いかた
心理学効果をうまく活用すれば、自分の要求を受け入れられやすくなります。ただし、あまり多用しないほうが良いテクニックもあるので上手に使いどころを見極めましょう。
的確な言いかたで「お願い」をする
夫婦は対等ですから、「○○して!」というようなきつい命令口調では夫のプライドを傷つけてしまうかも。「○○してほしいな」というように柔らかい口調でお願いすることで言葉のトゲトゲしさがなくなり、夫もすんなり受け入れやすくなるでしょう。
また回りくどい言いかたではなく、要点を明確にした的確な言いかたのほうが伝わりやすいですよ。
何かをしてもらったら、きちんと感謝の意を伝える
何かをしてもらったら、その都度きちんとお礼の言葉を伝えましょう。たとえ毎回言うのが面倒でも、「言わなくてもわかってくれる」と油断してはいけません。してもらった内容に満足できなくとも、きつい口調でのダメ出しや改善点をその場で言ったりすることは夫のプライドを傷つけてしまいます。
まずはしてもらったことに対してお礼を言い、次回同じことを頼むときに「今回はもうすこし△△だともっと良いかも」などとやわらかく伝えましょう。
普段から夫をうまくおだてる
「あなたに期待しているよ」と応援されることでモチベーションが上がり、本当に期待された通りの結果を出すことを「ピグマリオン効果」と呼びます。また、「あなたの○○なところが好きだよ」などと相手の長所を伝えるのも有効。
「仕事で忙しいのに家事を助けてくれるから、ほんとに助かる!」などの言いかたが良いでしょう。ただし、あまり白々しくなるとお世辞っぽくなってしまい逆効果になるので注意してくださいね。
理由をつけながらお願いする
ただ「○○してくれない?」と要求するより、「△△だから、○○してくれない?」と理由をつけることで要求が受け入れられやすくなることを「カチッサー効果」と呼びます。例えば、「私は早めに食事の準備をしてしまいたいから、その間子どもの面倒を見ていてくれない?」など。
ささいな頼みごとであればこじつけのような理由でも大丈夫そうですが、なるべく夫が納得できる理由をつけたほうが受け入れられやすくなるはずです。
まずは簡単なことからお願いし、後で少し条件を付け加える
一旦良い(簡単な)条件を出しておいてから、後で少し不利な(難しい)条件を追加することを「ローボール・テクニック」と呼びます。「悪いけどちょっとゴミを出してきてくれない?」と頼んでOKをもらった後、「ゴミ出しのついでに、できれば自販機でジュースを買ってきてほしいのだけど……」といった頼みかたをすると、一度OKを出してしまったことから後で断りにくくなってしまう心理が働きます。
ただし、頻度が多すぎたり後で付け加える条件が厳しすぎたりすると相手の心象が悪くなるかも。使いすぎには注意しましょう。
何かをしないで欲しいとき
昔話「鶴の恩返し」で絶対に見ないでくださいと言われた部屋を覗いてしまうように、禁止されたことをかえってやりたくなるのが「カリギュラ効果」です。
たとえば夫の浮気が心配なら、しつこく「浮気しないで」と言ったり夫の携帯をのぞいたりしてはいけません。夫に大きなストレスをかけることで反発されてしまい、かえって浮気に走らせてしまうかもしれないためです。
この場合、夫をむやみに押さえつけるより「あなたの誠実なところが好き」などとピグマリオン効果を活用するほうがおすすめです。
夫に何かをお願いするとき、心理学効果をうまく利用するとよりスムーズに意思を伝えることができます。今回ご紹介した心理学効果はビジネスや子どものしつけにも役立ちます。覚えておいて損はありませんよ!