日本と似ている? それとも違う? 世界9ヶ国の結婚・離婚事情

夫婦のお悩み解決コラム

近年の日本では、結婚率が低下する一方で離婚率が上昇しています。では、海外各国の結婚・離婚事情はどうなっているのでしょうか? 日本でもおなじみのあの国やちょっと意外な制度がある国まで、幅広く見てみましょう。

 

アメリカ

日本と似ている? それとも違う? 世界9ヶ国の結婚・離婚事情

結婚

州によって異なりますが、多くの州では男女ともに18歳で結婚できます。まず結婚式を行う前に2人で役所に出向き、結婚許可証を取得します。

結婚後の姓の決めかたは特に決まっておらず、夫婦どちらかの姓を名乗るカップルもいれば夫婦別姓を選ぶカップルも。自分たちで新しく作った姓を名乗るケースもあります。

離婚

アメリカは世界的に見ても特に離婚率が高く、2組に1組の夫婦が離婚するといわれています。たいていの州では、1年ほど別居すると離婚が成立します。

アメリカ人に多いカトリックでは、原則として離婚は歓迎されません。しかしアメリカでは最初から結婚をなかったものとみなす「婚姻無効宣言」という制度があり、これを利用して離婚することができます。

また、「無責離婚法」も離婚を後押しする要因です。不倫・虐待などのような明らかな落ち度がなくても離婚可能、かつどちらか一方の意思があれば離婚可能とする法律です。

 

カナダ

日本の法律婚とほぼ同じ結婚のほか、コモンロー・コンジュガルという制度があります。

結婚・コモンロー・コンジュガル

「婚約したからといってすぐ結婚する必要はない」と考える人が多く、数年間にわたって婚約期間が続くカップルが多いです。その後はそのまま結婚する人・別れる人・コモンローに移行する人などさまざまです。

コモンローは日本の事実婚に相当し、結婚とほぼ同じ権利・保障が認められます。1年以上同棲しており、結婚同然の生活をしていること(共同口座、部屋を一緒に借りている、家計が一緒、周囲の証言など)が証明できればコモンローが認められます。

一方、コモンローの条件を満たせない(ビザの関係で同居できないなど)カップルが別居婚にある状態をコンジュガルといいます。コンジュガルが認められるには、共同名義の不動産や口座があるなど、別居婚状態であることを証明しなければなりません。

離婚

離婚する場合、まずは1年以上別居する必要があります。別居の証明は、新しく引っ越した部屋の契約書などで行います。虐待・不倫などが原因で離婚する場合は別居の証明は必要ありませんが、虐待・不倫の証明より別居の証明のほうが楽なことが多いようです。

なおカナダには慰謝料の概念がないので、有責者の非が財産分与・養育費に影響することはありません。コモンローの場合、コモンロー関係になって2年以上経っていれば結婚同様に財産分与を行います。

 

イギリス

結婚

イギリス国内の婚姻率は低下しており、2006年度の結婚件数は約237000件まで下がりました。これは16歳以上の男性1000人に対して22.8人、女性1000人に対して20.5人に相当します。

近年は、「法律に縛られずにお互いの自由を尊重する」「単に面倒くさい」などの理由で事実婚が増加しているようです。嫡出子・非嫡出子の区別もないため、子どもができても結婚しないままでいるカップルも。

離婚

ヨーロッパの他の国と比べても、イギリスは特に離婚への抵抗が少ない国です。イギリスの国教は英国国教会ですが、もともと英国国教会はローマ法王から離婚を認められなかったヘンリー8世が離婚を実現するために創った宗派なんです。

婚姻後1年間は離婚できませんが、約半数が結婚後10年以内に離婚すると言われています。子どもがいる場合、男性が家を出ることが多いようです。

 

フランス

日本と似ている? それとも違う? 世界9ヶ国の結婚・離婚事情

フランスでは、日本の法律婚に近い結婚(マリアージュ)とパックス制度が主流です。

結婚・パックス制度

男女ともに18歳で結婚でき(女性は15歳から結婚できるが、18歳までは親などの同意が必要)、近年は同性婚も可能になりました。婚姻届を提出する際、市役所で行う結婚式の日時を予約します。まず市役所で新郎新婦と立会人2人の4人で結婚式を行い、その後教会などで自主的に挙式を行います。

一方パックス制度は18歳以上のカップルが共同生活を結ぶ契約で、日本の事実婚に相当します。もともとは同性愛カップルのための法律でしたが、現在は同性・異性カップルの両方がパックス制度を利用できるように。パートナー間の相続権・税金待遇などは結婚とほぼ同等です。

離婚

フランス人はカトリックが多いため離婚は大変です。日本の離婚に比べて必要な手続きが多く、また州によって手続きもさまざまです。

離婚後300日未満の女性は再婚できませんが、以下の条件のいずれかを満たすと300日未満でも再婚できます。

  • 出産した
  • 医師によって妊娠していないことが証明された
  • 前夫が300日以来妻と同居していなかったことが明らか

パックスのカップルが別れるときはどちらか一方の意思があれば良く、簡単な手続きだけで関係を解消することができます。

 

韓国

結婚

血のつながりを重んじる韓国では、結婚によって姓を変えることは先祖に対して失礼とみなされます。そのため夫婦別姓で、子どもが生まれたら父親の姓を名乗ります。ただし、国際結婚の場合は結婚したときにどちらか一方の姓を選択できます。

同姓同本思想(同じ姓の人どうしは同じ先祖を持つとする儒教の考え)のため、2005年までは血縁がなくても同じ姓の人とは結婚できませんでした。現在の若い世代も、同じ姓の人との恋愛には慎重になる傾向があります。

また、8親等以内の血族と結婚することはできません。はとこの孫・曽祖父母の兄弟姉妹のひ孫などが8親等の血族に相当します。

離婚

韓国の離婚率はアジアでもトップクラスで、約3割の夫婦が離婚すると言われています。

韓国人夫婦が協議離婚する場合、まず協議離婚申請書を裁判所に提出します。その後実際に離婚届を出すまでに離婚熟慮期間(原則として子どもがいれば3ヶ月、いなければ1ヶ月)が設けられており、この期間に考え直して離婚を取りやめることもできます。

子どもの親権は父親が持つことが多いですが、熟慮期間中に子育て・親権に関する合意が得られなければ離婚できません。調停離婚・裁判離婚の場合は離婚熟慮期間がなく、裁判所が合意を確認できればすぐ離婚が成立します。

離婚・死別後も、以下にあてはまる(または過去にあてはまっていた)相手とは再婚できません。

  • 6親等以内の血族の配偶者
  • 配偶者の6親等以内の血族
  • 配偶者の4親等以内の血族の配偶者である姻戚

 

中国

結婚

2人とも未婚で婚姻年齢(男性22/女性20歳、少数民族は例外あり)に達しており、近親婚(4親等内)および禁婚疾病者(エイズ・淋病など)でなければ結婚が可能です。基本的に夫婦別姓で子どもは父親の姓を名乗りますが、夫婦で新しい姓を創って名乗ることも可能です。

中国では、周囲からの圧力や「子は親を養うべき」「結婚して家庭を持つことが重要」という伝統的な価値観にとらわれて結婚する人がたくさんいます。しかし一人っ子政策が原因で男女の人口バランスがくずれており(男児を望む親が多かったため)、結婚できない男性の増加が社会問題になっています。

離婚

女性の経済的自立などにより近年離婚率が上昇し、3組に1組の夫婦が離婚しています。

中国では法律上の嫡出推定制度がなく、再婚禁止期間の制限は特にありません。その代わり妻の妊娠中および分娩後1年以内、または妊娠中止後6ヶ月以内は夫から離婚することはできません。

 

インド

結婚

近年恋愛結婚が増えてきたものの、従来のように両親が決めた相手と結婚する人が多数派です。特にヒンドゥー教徒の間ではカースト・宗教が同じ相手との結婚が望ましいとされ、新聞記事にはカースト・地域別の結婚相手募集記事が掲載されています。

インドでは、ダウリー制度(妻の家から夫の家へ持参金を贈る制度)が大きな社会問題になっています。ダウリー制度自体は法律で禁止されたもののいまだに根強く残っており、女性にとっては大きな経済的負担やトラブルのもととなっています。そのため、ダウリーを要求せずカーストとも関係ない外国人男性との結婚を望む女性が多いです。

離婚

多民族・他宗教国家であるインドでは、宗教ごとに結婚・離婚に関する法律が定められています。ここでは、宗教ごとの法律が適用できない(夫婦の宗教が違う場合など)ときに適用される「特別婚姻法」に基づいて紹介します。

インドは離婚率が低いことで知られていますが、婚姻後1年以上経過しており、かつ裁判所で法廷離婚原因があることが認められなければ離婚できません。

法定離婚原因としては姦通・虐待・遺棄・消息不明・不治の精神病などがあり、このほかにも夫婦の一方が伝染性の性病やハンセン病(原告からの感染を除く)にかかった・夫が強姦罪などを犯した場合にも離婚が認められます。

 

ブラジル

結婚

親の同意があれば16歳から、18歳以上なら自分の意思のみで結婚が可能です。ただし、妊娠している場合は16歳未満でも結婚できる場合があります。

ブラジルでは、重婚を防ぐために新聞記事にて結婚宣言をしなければなりません。記事掲載後1ヶ月以内にどこからも異議申し立てがなければ、登記所または教会で婚姻儀式(宣誓と指輪交換)を行って結婚成立となります。

離婚

婚姻期間が5年以上あれば、離婚時にすべての財産を半分にしなければなりません。子どもがいる場合、子どもを引き取らなかったほうは最大24歳まで収入の2~3割を養育費として払う必要があります。子どもを引き取った妻が再婚しても、夫の支払い義務はなくなりません。

ブラジルは離婚をよしとしないカトリック国家ですが、昔より離婚手続きが簡素化しており離婚件数は増加傾向にあります。2007年に離婚した約23万組の夫婦のうち、4人に1人が離婚を経験している計算になります。

女性の社会進出が進んで経済的に男性に頼る必要性が低くなり、なおかつ離婚手続きのわずらわしさを避ける目的もあって、事実婚を選ぶカップルも増えています。

 

ケニア

結婚

ケニアには人数制限なしの一夫多妻制が認められており、1人の男性が10人以上の妻を持つことも可能です。ただし、古くからの慣習により男性・女性それぞれの両親が「ドゥワリ(男性の家から女性の家に結納品を贈ること)」を済ませた既婚者でなければ結婚が認められません。

ケニアでは「なしくずし婚」と「国際結婚」が一般的です。同性の概念がないケニアでは、男女が同じ家の道具を一緒に使い始めた時点で結婚したとみなされます(なしくずし婚)。その後2人で親戚・友人に挨拶回りをして、夫婦になったことをお披露目します。

同じ部族同士であれば比較的簡単に結婚できますが、対立する部族同士だと結婚へのハードルは高くなります。実際に、出身部族が違うために一度も互いの実家に行ったことがないという夫婦も少なくありません。

部族同士のしがらみがない国際結婚も人気ですが、結婚相手の国で戸籍制度が確立している場合はその国の制度に基づく手続きを行わなければ国際結婚が認められません。

離婚

諸外国と同じく、ケニアもまた離婚率が上昇していると言われています。夫が外に愛人を作って家出してしまうこともありますが、たいていの妻は夫が家にお金を入れなくなった時点でさっさと自立を選びます。反対に夫の留守中に妻が家財道具を持ち出し、子どもを連れて家出することもあります。

ただし、ドゥワリ後の離婚は困難を伴うことが多いようです。

日本では結婚した夫婦のうち1/3が離婚しているといわれますが、諸外国の離婚率もまた上昇傾向にあるようです。時代の流れにあわせて、各国の結婚・離婚に関する制度もどんどん変化しています。

今回紹介した国のほかにも、興味深い結婚・離婚制度がある国は少なくありません。いろいろな国の結婚・離婚事情を知ることで見聞が深まりますし、話のネタも増えそうですね。

参考:
http://yywife.jp/worldbride04.html
http://nadeshikocanada.com/2012/06/12/marriage-common-law-in-canada/
http://workingholiday-net.com/magazine/weblog/article-200906092828.html
http://bbs.jpcanada.com/log/5/8568.html
https://tampoppo.jimdo.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC-%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%80-%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E7%92%B0%E5%A2%83%E6%AF%94%E8%BC%83/%E9%9B%A2%E5%A9%9A/%E7%A8%AE%E9%A1%9E-%E6%89%8B%E9%A0%86/
http://trocaderohouse.com/kaigainokonkatsu08.html
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20091125/104988/
https://zuuonline.com/archives/130732
http://www.cast-familyaffairs.com/2201/260/
http://www.shisei.com/waka-2/waka-2_001.htm
http://kirikoro.exblog.jp/16927513/
http://golden-zipangu.jp/korea-wedding/
http://kze.hatenadiary.jp/entry/20120312/p1
http://kirikoro.exblog.jp/16905313/
http://www.alcclub.net/kon/country/america.htm
http://english.cheerup.jp/article/2689
http://bbs.jinruisi.net/blog/2010/11/905.html
http://fishand.tips/select/article/2430
http://yaplog.jp/kanesada25t/archive/744
http://www.nattoku-rikon.com/read/world-divorce/

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