妻が生理でイライラ! 不機嫌の理由と夫としての心構えとは
夫婦のお悩み解決コラム生理は女性にしかわからないことなので、どう接していいか悩んでしまいがち。まるで別人のような生理中の妻に対して、恐怖を抱くかたも多いのでは。生理前から始まるイライラに対して旦那はどう対応していけばよいのでしょうか?
生理中のイライラで妻がどうして不機嫌になってしまうのか、どんな気遣いをしたらいいのか、喧嘩をしないための心構えなどをご紹介します。
この記事でご紹介すること
1. 生理中のイライラがひどいのはしょうがない?
女性が生理のたびに不機嫌になるのを見て、「もう少しどうにかならないの? このまま一生、月一でイライラしているの?」と不安になるかもしれません。まずは「どうして不機嫌になるのか」という生理のメカニズムを知っておきましょう。
生理前のイライラを知っておこう
「PMS(月経前症候群)」をご存知でしょうか。生理の約3〜10日前から起こる、身体的・精神的な不調のことです。PMSが起こる原因はわかっていないそうですが、一説として、「女性ホルモン」が関係していると考えられています。女性は生理の始まる14日前に排卵しますよね。それにより変動する「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」という2つの女性ホルモンが影響するのだとか。
そんなPMSの症状は200種類以上もあるそうです。人によって、その月によっても違いがあります。特に30代の女性は「心の不調」が顕著になるのだとか。さらに出産経験のある女性は、ない女性よりも「イライラ」などの精神的な症状が多くなる傾向にあるそうです。
主な症状は以下のとおり。
- 身体的症状
肌が荒れる、のぼせる、下腹部の張りや違和感、腹痛、腰や頭が痛い、乳房の張りや痛み、むくみ、眠気、不眠……など - 精神症状
イライラする、怒りっぽくなる、泣きたくなる、落ち着かない、憂うつな気分になる、情緒不安定、家族など身近な人に八つ当たり……など
これらの症状は生理が来ると弱まり、やがて消えていくものです。しかし、PMSが治ったと思ったら追い打ちをかけるように生理が来るので、女性の心と身体は、休む暇がないんです。
PMSよりも症状が重いPMDD
PMSよりも精神的不調が重く日常生活や社会生活に支障をきたすほどの状態をPMDD(月経前不快気分障害)と呼びます。PMDDは生理の1週間前、時には2週間前から始まることもあり、PMSよりも症状の出現期間が長いのが特徴です。またPMDDの場合うつ状態になり会社に出社できなほどのレベルまで精神症状が悪化します。
主な症状は以下のとおり。
- 過度な精神症状
自殺願望を抱いたり自傷行為を行う - 精神症状
攻撃的、暴力的になり生活に支障をきたすレベルにまで精神症状が悪化する
一般的にPMSは医者にかかるまでもなく生理が終わればおさまりますが、PMDDの場合は精神科にかかる必要があります。治療はセロトニンの減少を抑える抗うつ薬による薬物治療が中心です。またPMDDは国際的にはうつ病の一種として認められている症状なのです。単なるPMSではないなとPMDDの可能性を感じたときは、早めに受診することが大切です。
生理中の女性の不調を知っておこう
生理は主に月経期の前半と後半で症状も変わってきます。
- 生理前半
「プロスタグランジン」という物質が急激に増えます。生理の経血を排出させるために子宮を収縮させたり、子宮内の神経を痛みに敏感にさせる作用があります。その他にも、痛みの発生、免疫やアレルギー、睡眠にも関連するそうです。主な症状は、下腹部の鈍痛・キリキリした痛み・めまい・吐き気・下痢など。 - 生理後半
血液の流れが滞る「うっ血」になります。主な症状は、下腹部の鈍痛・腰回りの重苦しい感覚など。軽い生理痛なら、半身浴で身体を温めたり、血行をよくする食事を心がけるなどで改善できるのだとか。
生理中は体のあちこちが痛かったり違和感があったりと、思うように過ごせないのでつい不機嫌になりがち。他にも、ストレスや冷えなどからホルモンバランスが崩れると、生理中のイライラを強くするそうです。
つまり妻は、生理前は精神的に、生理中は肉体的に辛いということ。不機嫌になりたくてなっているわけではなく、月経周期とともに変化する女性の身体の仕組みとして仕方のないことなんです。
2. 女性がしてもらえると嬉しい心遣いとは
いつも通りに接する
実は女性の多くは「いつも通り接してほしい」と思っているんです。優しい声掛けもうれしいんですが、生理中はやはりちょっと神経質になっています。
生理時にイライラすることは女性が一番よくわかっているので、何気ない会話中でも夫につい八つ当たりするんじゃないかとハラハラします。特に夫から優しい言葉をかけられても、余裕がなくてうまく対応できなかったときなど、自己嫌悪してよけい不機嫌になることも。
まずはいつも通り接してみて、具合が悪そうなら下記を参考に気遣いを心がけましょう。
女性を気遣う声掛けや行動
「どこが痛い?」と聞いてお腹をさすったり、「薬飲む?」と生理痛に効く薬を渡したりと、女性を気遣うような声掛けや行動をとりましょう。旦那さんから優しい言葉を掛けてもらえれば、イライラも軽減するものです。あくまでさりげなく、やりすぎはNGです。
無言の気遣い
「なにかしようか?」「手伝おうか?」と聞くより、洗い場にお皿がたまっていたら洗う、お風呂掃除がまだだったらしておくなど、「生理が辛いのをわかっているよ」という気持ちを行動で示しましょう。
妻はそんな夫のことをよく見ていますし、心の中で感謝をしています。「信頼」や「安心感」というのは、言葉よりも行動で積み重ねられていくもの。できることを着実にしてくださいね。
3. 喧嘩しないために気をつけることとは
生理だからと割り切る
「生理前から生理中にかけてのイライラはしょうがない」と、割り切って、八つ当たりされたり嫌味を言われたら、軽く受け流しましょう。
「なんで俺ばかり……」と思うかもしれませんが、イライラしている女性自身も感情のコントロールがききづらいのは辛いこと。宇宙目線の広い心でやり過ごしてくださいね。
余計なことを言わない
軽い冗談を言って場を和ませることはやめておくほうが無難です。生理中は「いつも通り」が通用しないので、慎重な言動を心がけてくださいね。
生理を比べない
生理の症状は人それぞれ。体調や生活サイクルによる自律神経の状況などでも異なり、個人差が大きいものです。生理を誰かと比べたり、「先月は元気だったのに」と症状を比べたりはやめましょう。
あまりにイライラが酷いようなら対策を
生理前の妻の暴言がひどすぎたり、いくら気をつけても喧嘩が絶えないなど、日常生活や社会生活に支障をきたす場合は、重度のPMSやPMDD(月経前不快気分障害)かもしれません。
うつ病とは違って、卵胞期に入り生理が始まってしばらく経つと症状が消失します。バランスよい食事を摂り、十分な休養と適度な運動をするなどしても改善が見られない場合は、サプリメントを飲んでみたり、病院の婦人科で相談すると良いそうです。PMSの症状軽減の目的で低用量のピルを服用するという方法もあります。
妻の生理が終わって心身ともに安定したときに、さりげなく「一度婦人科で見てもらう?」と相談してみましょう。一緒にPMSについて勉強してみるのもいいかもしれませんね。
生理によるイライラや体調不良は、女性にとって千差万別。まずは自分の妻の様子を良く知っておき、生理について理解をしておきましょう。生理前や生理中はなるべく普段通りに接するようにして、辛そうなら声掛けをしてあげてくださいね。
あまりに生理前のイライラが酷いのなら、離婚につながることもあるので、漢方薬を試したり婦人科に行くなどの対処法も検討するとよいでしょう。