これが原因!? 夫婦の家事分担を阻む「名もなき家事」とは
夫婦のお悩み解決コラム結婚時に夫婦で話し合った家事分担。それなのに、いざ結婚生活が始まってみると、「自分ばかりが家事をやっている気がする」と疑問や不満を感じたりはしませんか?
その原因のひとつが、分担時には考えていなかった「名もなき家事」の存在です。
1. 「家事」とは何を指すか
家事の分担を話し合ったとき、どういった項目をあげましたか?
- 部屋の掃除
- トイレ掃除
- お風呂掃除
- 食器洗い
- 買い出し
- ゴミ出し
- 料理
- 洗濯
細かく分けていたとしても、ざっとこのような項目になっていたのではないでしょうか。
しかし実際に生活を送る上での「家事」は、名前が思いつくものばかりではありません。必要な家のことであるにも関わらず、名称がつけられていない家事のことを「名もなき家事」と呼びます。
例えば靴を揃える、脱ぎっぱなしの服を片付け脱衣かごに入れる、なくなったシャンプー類の補充、トイレットペーパーやティッシュの補充、アイロンがけ、ゴミ箱に新しいゴミ袋をかける、食べ残したおかずにラップをかけて冷蔵庫にしまうなど……。
こうした「日常的に行う必要が生じる細かなこと」が、知らず知らずのうちに家事負担の重さにつながっているんです。
2. 家事の分担の認識に大きな差が
ダイワハウスが2017年の母の日前に「同居の子供がいる共働き夫婦」に対して、家事に対するアンケート調査を実施しました。その調査で、夫婦間の家事負担の自覚に対するギャップが浮き彫りになっています。
夫側は、夫:妻=3:7と、「3割程度は担っている」と捉えていますが、妻側は夫:妻=1:9と、「9割もわたしがやっている」と感じているんです。
このギャップの原因が、先ほどご紹介した名もなき家事。名もなき家事に対しても「やるべき家事である」と考えている妻に対して、夫側は「家事だと思っていない」という人が多いんです。
こまごまとしたタスクひとつひとつに明確な名前がついていないということもあり、結局は「名もなき家事」の9割は妻が負担しているという回答結果に。
このズレが、余計に家事負担の夫婦間でのアンバランスさにつながっているのですね。
3. 男性の「家事」に対する認識を改めさせよう
ダイワハウスが項目としてあげた家事・名もなき家事は以下の30項目。まずはこうして家事のすべてを「見える化」した上で、夫婦間であらためて分担について話し合うことが必要です。
- たまったゴミを捨てる
- アイロンがけをする
- 食事の献立を考える
- ベッドや布団を整える
- 飲みっぱなしのグラスを片付ける
- 調味料を補充・交換する
- ゴミを分類する
- 食べ残しの食品を冷蔵庫にしまう
- 食事の前に食卓を拭く
- トイレットペーパーがなくなったときに、買いに行く
- 手洗い場のタオルを取り換える
- 新聞・雑誌などをまとめて捨てる
- 脱ぎっぱなしの服をクローゼットやタンスにしまう
- クリーニングに出す、取りに行く
- 玄関の靴をそろえる
- 靴を磨く
- 町内やマンションの会合に出席する
- 郵便物をチェックする
- 子どもの食事を手伝う
- 子どもの送迎
- 子どもの学校準備、勉強を見る
- ペット、植物の世話
- 使い切ったティッシュの交換
- 古くなった照明の交換
- ポストに入っていた不要なチラシの処分
- 朝カーテンを開け、夜カーテンを閉める
- 子どもとの会話
- 家電製品の選定・購入・設置
- 朝刊、夕刊を取りに行く
- 使った道具を元に戻す
夫を責め立てるのではなく、まずは夫に「こんな家事もあったのか!」と認識してもらうところから話し合いたいですね。夫側もわざとやらずに妻に任せてばかりいる人ばかりではなく、そもそも「家事だと思っていない」ことも多いんです。「言われなくても気づいてよ!」というのが妻側の叫びではありますが、いったん心におさめ、まずは気付いてもらうことから始めましょう。
「気付いた人がやればいい」というスタンスのまま暮らしていると、結果的に気付いた妻ばかりがやることになってしまうのが「名もなき家事」です。たとえひとつひとつをこなすことに大した手間がかからなくても、積み重なったタスクの山は日々夫への不満やイライラを生んでしまう原因になるもの。
ただ、不満をぶつけるだけではケンカになってしまうばかりです。30項目の内容を参考にして、まずは「家でおこなっていること」をリストアップし、あらためて家事分担について話し合いをしてみてくださいね。
出典:
「名もなき家事」の負担感を緩和、解消する方法とは? [時短生活] All Aboutダイワハウス「20代から40代の共働き夫婦の“家事”に関する意識調査」