子どもを傷つける「マルトリートメント」ってなに?

夫婦のお悩み解決コラム

子どもの健全な発達を阻害する不適切な養育のことを「チャイルド・マルトリートメント」ということを知っていますか? このマルトリートメントによって、脳に悪影響を及ぼす場合もあるのだといいます。

親である私達がやりがちな行動も、実は子どもに悪影響を及ぼしているかもしれません。いったい、どんな行動が「マルトリートメント」になるのでしょうか。

 

1. マルトリートメントとは

そもそも、マルトリートメントとはどのようなものなのでしょうか。以下、プレスリリース「いま話題の新書『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版) 絶賛発売中」より引用します。

脳研究に取り組む小児精神科医として日米科学技術協力事業課「脳研究」分野グループ共同研究日本側代表者を務める著者は、強者である大人から弱者である子どもへの不適切なかかわり方を「虐待」と呼ばずに「マルトリートメント」と言います。言葉による脅し、威嚇、罵倒、無視、放置などの行為に加え、子どもの前で繰り広げられる激しい夫婦喧嘩などもマルトリートメントとなります。

「虐待とどう違うの?」と思われるかもしれませんが、児童虐待防止法では児童虐待について、「身体的暴行」・「性的暴行」・「心理的虐待」・「ネグレクト」などを定義しています。

マルトリートメントは「子どもへの不適切なかかわりかた」なので、虐待も含めてもっと広い概念があるのだと考えられます。

 

2. どんな行動がマルトリートメントになっている?

子どもを傷つける「マルトリートメント」ってなに?

日常で子どもと過ごしている中で、もしかしたらマルトリートメントになっていることがあるかもしれません。どのようなものが考えられるのでしょうか。一例をご紹介します。

感情にまかせた暴言

ついカッとなって、「バカ」と蔑んだり、「産まなきゃよかった」と存在を否定するなど、感情にまかせて子どもに暴言を浴びせてしまうのは、マルトリートメントに該当します。「聴覚野」が肥大し会話力が低下してしまうそうです。

スマホ育児

子どもを放っておいてスマホばかりを見ていたり、自分のやりたいことがあるからと子どもにスマホを持たせて遊ばせるなども、過度になればマルトリートメントにつながるそうです。

激しい夫婦喧嘩

激しい夫婦喧嘩はマルトリートメントとなってしまいます。「子どもには暴言や暴力を向けていないのに」と思われるかもしれませんが、子どもにとって大好きなパパとママが夫婦喧嘩をしている姿を目撃することは、大きなストレス。「もう見たくない!」と思ってしまいますよね。

それにより、脳の「視覚野」が縮小してしまうそうです。会話をする際に相手の表情が読み取れなくなり、他者とのコミュニケーションに支障が出ることも。

 

3. 日頃の生活のなかで気をつけること

自分では意識してなくても、結果的にマルトリートメントになってしまうときがあると思います。そうならないためにも、意識しておくことや気をつけることはなにがあるのでしょうか。

子どもを叱るときはポイントを絞る

子どもを叱るとき、つい感情にまかせてしまうと暴言になってしまいます。まずは一呼吸おいて、「何がいけなかったのか」・「どうすればよかったのか」など、叱るポイントを絞って丁寧に説明しましょう。ちなみに、叱るのは60秒以内が良いそうですよ。

スマホは時間を決める

親がスマホを触るのは、子どもが寝たときやトイレに入っているとき。子どもにスマホを与えるときは「1日〇分」などのルールを決めておきましょう。ちなみに、すべてのメディア(テレビ・ゲームなど)に触れる時間は、1日2時間までを目安とするそうです。

とはいっても、スマホで息抜きをしたいときや、大切な連絡に返信したいときなどもありますよね。完全にスマホ断ちをするのは難しいかもしれませんが、子どもが呼んだときはすぐにスマホから目を離すなど、子どもを優先するようにしていきましょう。

子どもの前で夫婦喧嘩をしない

夫婦なんだから、喧嘩をしてしまうのは当たり前のことです。ときにぶつかり合うことが必要なときもありますよね。しかし、子どもの前ですることではありません。「子どもの前で夫婦喧嘩をしそうになったらどうするか」を、夫婦で話し合ってみてください。

「片方がその場から離れる」・「子どもが寝た後筆談で喧嘩をする」・「子どもの前ではいつも通り接する」などのルールを作って、お互いにそれを守るようにしましょう。

子どもの前で夫婦喧嘩をしてしまったら

我慢できなくなったときや、軽い言い争いがヒートアップして喧嘩になってしまった場合、「子どもの前で喧嘩をしたこと」はなかったことにはできません。そのあとどうするかが重要です。

仲直りをしている姿を子どもに必ず見せることが大事。そして「怖がらせてごめんね」・「仲直りしたからもう大丈夫だよ」と子どもに声掛けするなどして、フォローを忘れないようにしてくださいね。

 

子どもの心を傷つけてしまう「マルトリートメント」ですが、暴力以外にもさまざまなことが当てはまります。日常でしてしまいがちだったこと、育児疲れでついしてしまったことが、子どもの脳に悪影響を与えてしまう恐れがあると聞くと、ちょっと不安な気持ちになってしまいますね。

子どもと積極的に関わったり、「すごいね」・「助かったよ」など日ごろから子どもをほめてあげて、親子でのコミュニケーションや絆を深めていきましょう。どうしてもマルトリートメントがやめられない場合は、自治体が行っている育児相談などを活用してみてくださいね。

参照:
いま話題の新書『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版) 絶賛発売中
マルトリートメントの事例
厚生労働省「第1章 子ども虐待の援助に関する基本事項」
スマホに子守りをさせないで!

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