結婚後の「旧姓」、どれくらい使ってる? どこで使える?

夫婦のお悩み解決コラム

結婚をして姓が変わると、さまざまな手続きを行う必要があったり、仕事上で不便になることも多くありますよね。結婚後も旧姓を使っている人はどれぐらいいるのでしょうか。また、旧姓は仕事や銀行口座開設など、どこまで使うことができるのでしょうか。

今回はそんな「旧姓」について、使用している人の割合や、使える範囲について各種データをもとにご紹介します。

 

1. 法律上の旧姓について

ご存知のとおり旧姓とは、結婚や養子縁組のため姓が変わった人の、もとの姓のこと。日本で結婚するとなると、夫婦はどちらかの姓に統一しないといけないことになっています。婚姻届を提出することで新しい戸籍ができ、姓も変わります。

姓が変わったら各所への変更手続き等を行う必要があります。会社でも氏名を変更する必要があるので、名刺の刷り直しやせっかく書いた論文の著者名が一致しなくなるなど、不便なことが多々あります。

しかし、働く上での旧姓の使用を認めている企業もあるんですよ。ちなみに、平成28年度内閣府委託調査が4,695 社に旧姓使用について聞いたところ、以下の結果が得られたそうです。

  • 旧姓使用を認めている:45.7%
  • 条件付きで旧姓使用を認めている:3.5%
  • これまでに旧姓使用を検討したことはなく、旧姓使用も認めていない:30.6%

旧姓使用を何らかの形で認めている企業のほうが多いんです。しかし、旧姓使用を認めていない企業も3割ある様子。企業規模が大きくなるほど、旧姓使用を認めている企業の割合が高くなるのだとか。また、旧姓に関する取扱いも見直されつつあるそうです。

 

2. 旧姓を使っている人はどれくらい?

それではいったい、どのくらいの人が職場で旧姓を使っているのでしょうか。

オウチーノ総研が20~59 歳の既婚女性に「職場で新姓と旧姓のどちらを使用しているか」と質問したところ、以下の結果を得たそうです。

結婚後の「旧姓」、どれくらい使ってる? どこで使える?

オウチーノ総研の「既婚女性の『新姓・旧姓の使用』に関するアンケート調査」のデータをもとにグラフを作成

全体的に旧姓を使用しているかたの割合は少ないのですが、20代は24.4%と4人に1人が旧姓を使用しているようです。

年代が上がるにつれて旧姓の使用率も低下しているのは、結婚後に転職したため旧姓にする必要がなかったということが考えられますね。

また、時代的なものも関係がありそうです。現在は女性の社会進出により、旧姓の使用を認める会社が増えてきているため、若くなるにつれて旧姓使用率が高まっているのかもしれません。

 

3. 旧姓を使えるのはどこまで?

それでは、旧姓が使えるのはどこまでなのでしょうか。項目ごとにご紹介します。

仕事

旧姓の使用は、企業によって一切認めていないところもあります。内閣府委託調査によると、旧姓の使用が認められている企業では、以下を旧姓で使用できる場合があるそうです。

  • 名札、社員証
  • 名刺
  • 日付印、印鑑
  • 社内名簿
  • 呼称、座席(内線番号)表
  • 個人メールアドレス
  • 発信文書・各種伝票類
  • 出勤簿またはタイムカード
  • 給与明細
  • 給与振込依頼(新姓名義の金融機関の口座に旧姓での振込依頼)
  • 辞令、社告
  • 社内資格
  • 論文、執筆原稿
  • プレスリリース等の対外的な公表資料(役員人事や新サービスのお知らせ等)
  • 社内システム(電子的な決済、手続き等を行うシステム)
  • 採用時の提出資料(履歴書等)

免許証

免許証は新姓にする必要があります。警察庁のホームページにある「住所や氏名を変更した場合」を以下引用します。

氏名や住所等免許証の記載事項に変更が生じた場合には、速やかに住所地公安委員会に届け出て、 変更に係る事項の記載を受けなければなりません(道路交通法第94条第1項)。 届出等を行わなかった場合には、2万円以下の罰金又は科料に処せられることがあります(道路交通法第121条第1項第9号)。

結婚して姓が変わったら、すみやかに変更手続きをしなければいけません。旧姓のまま使用を続けると、罰金や注意を受ける恐れがあります。

銀行口座

旧姓では口座開設できません。すでに旧姓の口座を使用中の場合は、基本的に新姓に変更をしておいたほうが良いでしょう。

理由としては、大口の出金や振込ができない可能性があるからです。免許証といった身分証明書の名前と、口座の名義人が異なると本人確認ができなくなってしまうため、それを証明するために手間がかかることも。「変更しなかったら罰則」などはありませんが、いざというときのために変更しておくと安心です。

「女性活躍加速のための重点方針 2017」によると、銀行口座等の社会の様々な場面で旧姓使用がしやすくなるよう、関係機関等に働きかけが行われているそうです。もしかしたらこれから先、旧姓で口座開設できる未来が来るのかもしれませんね。

住民票

住民票は旧氏名に横線を引いて、新氏名を記載する形で修正しています。そのため旧姓が載っている可能性が高いでしょう。

ただし変更が多々あった場合は、住民票を新しくすることがあるそうなので、旧姓が載らなくなってしまいます。また、名字を変えてから現在の市に転入した場合も、旧姓が記載されていません。旧姓が載った住民票が必要な場合は、一度問い合わせてみたほうがよさそうです。

「女性活躍加速のための重点方針 2017」によれば、こちらも平成30年度以降、本人からの届出があった際に住民基本台帳およびマイナンバーカードに旧姓を併記する方向へ、関係法令の改正やシステム改修を行うようにしているそうです。

パスポート

外務省によると、パスポートに旧姓を記載することはできないそうです。パスポートの氏名は、戸籍に記載されている氏名でなければいけないからです。

しかし、以下に該当する場合は別名併記が可能となる可能性もあるそうです(ICチップには記録されません)。外務省のサイトから引用します。

外国で旧姓での活動実績があり、旧姓表記でないと支障が生じる場合など、渡航にあたり旧姓などの別名も併記する必要がある場合、その必要性が確認できる書類等を提出していただき、審査の結果、これが認められる場合には、別名併記が可能です

詳しくは、各都道府県の申請窓口や在外公館へ確認してくださいね。

「女性活躍加速のための重点方針 2017」曰く、平成31年度を目途に、本人からの届出により旧姓を併記することが可能となるよう、検討されているそうです。

 

仕事で旧姓を使用する分には、認められていることが多いようです。しかし戸籍は新姓のため、本人確認証明書が必要な手続きには、旧姓が使用できないことが多いようですね。

ただし、現在女性の活躍を応援している政府が、旧姓併記に対して柔軟な対応をするよう各所へ要望を出しているので、これから先旧姓の使用はどんどん認められていくかもしれませんね。

 

参考:
旧姓使用の現状と課題に関する調査報告書
「どこまで使える あなたの”旧姓”」(くらし☆解説)
既婚女性の「新姓・旧姓の使用」に関する実態調査
女性活躍加速のための重点方針 2017
日本在住で日本の運転免許証をお持ちの方 
Q16 結婚して姓が変わりました。旧姓をパスポートに記載することは可能ですか?

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