夫婦の貯金、名義はどうする? メリット・デメリットまとめ

夫婦のお悩み解決コラム

積み立てている夫婦の貯金。どのようにすれば我が家にもっとも合っているのでしょうか。

日本では夫婦連名の口座を作ることができないので、夫婦の貯金をひとつの口座にまとめるには「夫」か「妻」どちらかの名義で口座を作るか、夫婦がそれぞれ貯金口座を作って管理をする必要があります。

それぞれのやりかたのメリット・デメリットを考えてみましょう。

1. 夫の口座で貯金(妻が専業主婦)

妻が専業主婦で、夫名義の口座で貯金するパターンのメリット・デメリットをご紹介します。

夫の口座で貯金するメリット

  • 贈与税や相続税などで面倒な疑いをかけられない
    夫婦間でも、年間110万円を超える贈与があれば「贈与税」がかかります。ただ、貯金目的などの場合は、妻名義の貯金用口座に夫が年間110万円を超える入金をしても、贈与税がかかることはほとんどないそうです。しかし専業主婦の場合、妻名義の口座が夫からの入金ばかりになるため、税務署から贈与を疑われる恐れがあります。また、夫からの生活費をこっそり「へそくり」として妻名義の口座に貯金すると、夫が死亡したとき相続税がかかる恐れも。

    そのため、専業主婦なら夫名義の口座で貯金をしておくと、そういった面倒なことを避けることができます。

夫の口座で貯金するデメリット

  • 妻が口座を管理する際、手続きが面倒
    専業主婦なら日中銀行へ行って口座の管理を行うことができますが、夫名義の口座の場合、いくつかの取引に制限があります。銀行によって異なりますが、数十万~数百万の現金などを動かしたい場合は、本人でないと手続きが面倒です。
  • 夫が急死したときに口座凍結される
    銀行では口座名義人の死亡がわかった瞬間、貯金用・生活費用・引き落とし用など故人の名義の口座すべてが凍結され、一切の取引ができなくなります。葬儀代や当面の生活費が必要な場合、さまざまな手続きを行わないと貯金が引き出せなくなるのはかなりの痛手に。

2. 妻の口座で貯金(共働き)

共働き夫婦の場合、夫の給与口座は生活費用、妻の給与口座は貯金用として管理しているかたも多いのではないでしょうか。妻の口座で貯金した場合のメリット・デメリットをご紹介します。

妻の口座で貯金するメリット

  • 家計管理が便利
    女性は出産・育児等で仕事から離れる機会があるため、家計管理を行うかたも多いと思います。妻名義の口座で貯金をしていたら管理も簡単ですし、数十万~数百万など多額の貯金を引き下ろすときに便利ですよ。

妻の口座で貯金するデメリット

  • 相続時に揉める原因になる
    妻が死亡した場合に口座凍結されるのは、夫の口座で貯金するデメリットと同じ。さらに夫が妻の口座へ貯金として入金していたお金も、妻のお金として相続の対象になる可能性があるのだとか。他にも考えなければいけないのは、夫が死亡した場合の「へそくり」のこと。夫からの生活費の一部からこっそり抜き取っていた「へそくり」を妻名義の口座で貯金していると、相続税がかかる恐れがあります。
  • 離婚時に揉める原因になる
    財産分与しないといけないのに、「これは私のお金」と主張される可能性があります。さらに管理を完全に任せていると、現在の貯金金額がわからないので、いつの間にか引き落とされていたということも。
  • 住宅購入時に口座から頭金を支払うと贈与税のかかる恐れ
    住宅購入時に、頭金としてまとまったお金を貯金から支払い、残りは夫名義のローンで、というパターンが多いと思います。その際に家の名義も夫にしていると、妻が夫へ贈与を行ったということになり、贈与税がかかります。それを避けるためには、頭金相当分は妻の名義にするなどの必要があります。

3. 夫婦それぞれの名義で貯金

給与口座とは別に貯金口座を夫婦それぞれが作って、毎月決めた額を貯金する方法。夫と妻の収入額が異なる場合は、「月収の1割を貯金する」など決めておくと、不公平感がなくなりますよ。

夫婦それぞれの名義で貯金するメリット

  • 離婚時、相続時に揉めにくい
    個人がそれぞれ管理しているのでわかりやすく、離婚や相続時の手続きに揉めることは少なそうです。片方が亡くなってしまって口座を凍結された場合も、自分の貯金があるのでなんとかやりくりをすることができます。
  • 管理が簡単
    本人の名義なので、お互いに必要になったときすぐに手続きでき便利です。
  • ペイオフ対策
    銀行が破綻してしまった場合、預金者1人当たり1金融機関ごとに合算され、元本1,000万円までと破たん日までの利息等が保護されるようになっています。貯金を夫婦どちらかの名義で共通口座に入れていた場合、貯金額が1,000万を超えていると全額保護されません。夫婦それぞれの名義で貯金をしていると、貯金の額も分散されるため1,000万未満となる可能性が高くなり、全額保護されることも可能に。

夫婦それぞれの名義で貯金するデメリット

  • 相手の口座が不透明
    「自分はコツコツ貯金しているけど、相手はどうだろう?」など、お互いの口座の動きが見えないので不安に。またお互いに「相手が貯金してくれているだろう」と思って貯金をしていなかったら、お互いに全く貯まっていなかったり相手がせっかく貯めていた貯金を使っていた……ということもあるので、毎月通帳を見せ合うなどして、貯金額の透明化をめざしましょう。
  • どちらかが働けなくなった場合に見直す必要がある
    別々の口座で貯金するのは、共働きが前提となってしまいます。特に女性の場合は、出産や子育てなどの節目で仕事を辞める可能性があります。その際に妻の口座の支払いができなくなるので、夫の口座へ変更するなど各手続きが必要。また、これからの貯金管理についてどうするか再度話し合わなければなりません。

貯金の方法は、夫婦によって合う・合わないがあると思います。ただ覚えていてほしいのが「離婚したら」「相手が亡くなってしまったら」ということ。考えたくないことですが、人生は何が起こるかわかりません。お金を貯める目的も、そういった面があるからこそですよね。

そのことも視野に入れて貯金方法を考えておくと、いざというときに揉める・困る心配も少なくなりますよ。そのためには夫婦で話し合うことが必要不可欠なので、時間をかけてでもお互いが納得できるようにしてくださいね。

参考:
No.4402 贈与税がかかる場合
私のへそくりが夫の財産? 相続で泣かない備え
「妻名義の預金は本当に妻のものか」を疑う税務署
婦間の贈与で贈与税がかかる場合/かからない場合の具体例
「共有口座」はキケン!? 弁護士がすすめる夫婦の家計管理法
預金保険制度

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