子どもが増えると、妻が夫にイライラするわけ
夫婦のお悩み解決コラム子どもが生まれると、今までの2人だけの生活では起きなかったような喧嘩が起きます。妻から見ると「ぜんっぜんわかってない!」とイライラすることもありますよね。そのすれ違いはどうやって生まれるのでしょうか?
出産・育児に関する調査・研究機関「赤すぐ総研」が0~2歳の子どもを持つ既婚男女を対象に行った、「乳児のパパ・ママ意識調査(2014)」の結果を元にご紹介します。
この記事でご紹介すること
1. 妻が夫に望むこと
子どもができると環境が変わり、妻が夫へ望むことも変化します。ただし、妻の望みと夫の行動が合っているとは限りません。
夫がしてあげたいと思うこととのギャップが大きい「妻の望み」には、こんなものがあります。
- 育児や子どもと接する時間を増やしてほしい
- 自分勝手・わがままな行動をやめてほしい
- 生活が制約されている自分に配慮して、今までの生活スタイルを変えてほしい
- 朝ちゃんと起きてほしい
- 浪費をやめてほしい
「一人の時間」や「いたわりの言葉」といった精神面的なことはもちろんですが、「育児の時間を増やしてほしい」「生活スタイルを変えてほしい」「わがままな行動をしないでほしい」「朝ちゃんと起きてほしい」といった、具体的な行動に対する要望が叶っていないことがわかります。
2. 夫が妻にしてあげたいこと
夫が「妻との関係でもっとしたいと思っていること」にも妻の望みと噛み合っていないものがあります。「妻が夫に望むこと」とギャップが大きい回答はこちら。
- 妻との会話の時間を持つこと
- 妻の健康に気を遣うこと
- 妻にねぎらいや、いたわりの言葉をかけてあげること
- もっと働くこと
- 子どものしつけをしたり、子どもについて相談に乗ってあげること
多くの男性が精神面的なサポートを「やってあげたい」と思っている様子。ただし、妻が夫に具体的な行動を望んでいる一方で、「朝ちゃんと起きる」「生活スタイルを具体的に変える」といった具体的な行動を起こしたいと思っている人は少ないようです。
妻が夫に求めていることは、「子どもが生まれたから、夫には変わってほしい」ということ。夫が妻にしてあげたいのは、「子どもが生まれたから、妻をもっと大切にしたい」ということ。
この男女の「求めていること」「やってあげたいと思っていること」の乖離が、喧嘩につながってしまうのではないでしょうか。
3. どうして男性は「行動」に思考がいかないのか?
同調査で、出産前後での生活で「自分の時間が減ったか」については男女で以下の結果となりました。
男性が思う自分の時間について
- 自分の時間が減ったと思う:62.0%
- 妻の時間が減ったと思う:65.8%
女性が思う自分の時間について
- 自分の時間が減ったと思う:74.3%
- 夫の時間が減ったと思う:35.3%
男性の「自分の時間が減った」と感じている人と、女性の「相手の時間が減った」と感じている人のギャップは、30%近くあることがわかります。女性は男性が思っているよりも、「夫には時間がある」と感じているようです。
また、男性は飲みに行く回数や自分の時間が「増えた」と答えている人がほとんど居ないのにもかかわらず、女性は「配偶者の飲み行く回数や自分の時間が増えた」と答えている人が男性に比べて多くなっています。
以上のことから、男性は行動に悪気があるわけではないのに、女性は男性の行動そのものに不満を抱えていることが多いのだとわかりますね。
4. 正しい喧嘩のしかた
このような認識の相違、やろうと思っていることの相違が生まれれば、喧嘩が発生するのは当然のことでしょう。それは仕方のないことかもしれません。
ただし、大切なのは「どのように喧嘩をするか」ということ。感情的にならずに、きちんと建設的な喧嘩をすることで、より夫婦生活が良いものとなってくれるでしょう。そのポイントをご紹介します。
産後は喧嘩が起こりやすいことを知っておく
認識の相違の他にも、産後の妻はホルモンの影響や環境の変化から特にイライラしやすくなっています。妻のイライラを感情的に返すのではなく、なるべく広い心で受けとめる覚悟が必要です。
売り言葉に買い言葉にならないように、夫は常に冷静でいられるようにしておきましょう。妻も、イライラすることは仕方ないことだと割り切って、自分を責めないようにしてくださいね。
> 産後イライラする妻に悩んでない?「産前産後の生活と体調の変化」まとめ
> 産後の喧嘩は夫婦の振る舞い次第! 良好な夫婦関係を築くには?
正しい喧嘩の流れに沿う
過去のメオトークの記事にもありますが、正しい喧嘩の流れは以下のとおり。
- 自分の意見を言う
- 相手の意見を聞く
- お互いの意見を合わせてどうするか考える
ポイントは自分の意見と相手の意見が違うことを仕分け、お互いの意見を否定しないこと。そこから妥協案を考えたり、相手の意見を尊重して合わせたりし、最後は仲直りをします。
つい頭に血が上ってしまい冷静でいられなくなるかもしれませんが、そういった喧嘩の正しい流れを意識してみてくださいね。
> 正しい夫婦喧嘩の方法とは? 子どもに「人と人の価値観の違い」をうまくアピールするコツ
仲直りは喧嘩にあわせて
喧嘩から仲直りを経て、夫婦の価値観の溝は埋まっていきます。夫婦にあった仲直りの仕方はそれぞれ異なるかと思いますが、自分が悪いと思ったら誠心誠意謝ったり、ささいな喧嘩は笑って済ませたりと、喧嘩の内容にあわせた仲直りの仕方ができると良いですね。
産後の体調や子どもを育てることについては、女性にならないとわからないことなのかもしれません。ただ、夫のみなさんは妻の望みが「具体的な夫の行動」だということを忘れないように、妻を気遣いながらも自身が変わっていく努力をしてみてくださいね。
妻も、夫が妻を気にかけていることを理解・感謝して、してほしいことがあったら「察して」と願うよりも、夫に言葉で伝えるようにしてください。
それでも喧嘩になってしまった場合は、なるべくお互いが冷静になって、自分の意見や相手の意見をすり合わせましょう。その後は仲直りを忘れずに。その繰り返しで、夫婦の絆・家族の絆は深まっていくのかもしれません。