知らないと損! 共働き夫婦の年金はいくらもらえる?

夫婦のお悩み解決コラム

自分たち夫婦が年金をいくらもらえるか、あなたはご存知ですか?

「共働きだから年金も2倍もらえる」「共働きで今は大変だけど、老後は夫婦で厚生年金がもらえるから大丈夫!」と考えているかたは、もしかしたら危険かもしれません。

今回は、知らないと損する「共働き夫婦の年金のこと」についてご紹介します。

 

1. 共働き夫婦が得られる年金の平均金額

平成28年度の厚生労働省の調査によると、老齢年金受給額の月額平均額は、男性が166,863円・女性が102,708円となっています。男女合計で月に269,571円支給されるということですね。

ただし、妻が入社からずっと正社員で働いている場合や、子育て等で途中専業主婦やパートになった期間があり、契約社員や正社員として働いている場合等では、もらえる年金の金額も変わってくるので、一概には言えません。

年金の仕組みをおさらい

年金は日本在住で20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2階建てとなっています。今回は「共働き夫婦の年金」のお話なので、主に厚生年金についてご紹介します。

国民年金の保険料は全員定額。厚生年金の保険料は収入に対して定率となっており、ひとそれぞれ額が異なります。ちなみに厚生年金保険料には国民年金保険料が含まれています。

年金はいつからもらえる?

年金受給は基本的に65歳からですが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間でも繰上げることが可能。ただし年金額が減額し、一生減額したままです。

逆に66歳から70歳までの間で繰下げることも可能です。その場合は年金額が増額し、一生増額したままます。

 

2. 年金受給金額の試算のやりかた

受給金額の試算方法についてご紹介します。65歳以上でもらう場合の計算式は「報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額」。具体的には以下のとおりです。

報酬比例年金額の求めかた

(ア)平均標準報酬月額×生年月日に応じた率×平成15年3月までの被保険者期間の月数
(イ)平均標準報酬額×生年月日に応じた率×平成15年4月以降の被保険者期間の月数
(ア)+(イ)=報酬比例年金額

※平均標準報酬月額=被保険者であった期間の給与の平均金額
※平均標準報酬額=給与と賞与を合算した額の平均金額
生年月日に応じた率はこちら

経過的加算の求めかた(平成30年4月現在)

(ア)1,625円×生年月日に応じた率×厚生年金保険の被保険者月数
(イ)779,300円×昭和36年4月以降で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者月数/(加入可能年数×12)
(ア)-(イ)=経過的加算

加給年金額とは

厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あり、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で、その方に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるときに加算されます。そのためには届出が必要。
・配偶者:224,300円
・1人目、2人目の子:各224,300円
・3人目以降の子:各74,800円

※配偶者は65歳未満であること
※配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年※以上であるもの)を受けている場合は支給停止
※子どもは18歳到達年度の末日までの間の子か、1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子であること
その他にも注意があるので詳しくはこちら

 

3. 実際に年金はいくらもらえるのか

それでは実際にいくらもらえるのか、3つのケースでざっくり試算してみたので、参考にしてみてください(あくまでざっくりです)。

ケース1:年収500万の共働き夫婦

30歳時点で平均年収500万円の共働き夫婦。夫の平均年収が350万円、妻が150万円。お互い60歳まで(38年間)この年収で働く予定の場合。

  • 夫:月額約125,000円
  • 妻:月額約90,000円
  • 計:月額約215,000円

ケース2:妻に空白期間がある場合

40歳の共働き夫婦で、夫が平均年収500万、妻が10年間専業主婦もしくは扶養内のパートだった。現在は平均年収200万。お互い60歳までこの年収で働く予定の場合。

  • 夫:月額約150,000円
  • 妻:月額約89,000円
  • 計:月額約239,000円

ケース3:年収850万の共働き夫婦

40歳の共働き夫婦で、夫が平均年収500万、妻が350万。お互いに60歳までこの年収で働く予定の場合。

  • 夫:月額約150,000円
  • 妻:月額約125,000円
  • 計:月額約275,000円

※実際に試算したい・試算方法を見てもよくわからない場合は、「ねんきんネット」で試算できます。

共働きの年金で損になるケース

妻が専業主婦や扶養内パートの場合、妻の年金が月額64,941円(平成30年4月現在)しかもらえないので、共働きのほうがお得に感じますが、「配偶者加給年金」というものがあり、場合によっては共働きで損をしてしまうこともあります。

もし妻が夫より年下の場合、妻が65歳になるまで配偶者加給年金として年間224,300万円がもらえます。昭和18年4月2日以後に生まれたかたは165,500円がプラスされ、年間計389,800円も夫の年金として受給できます。10歳差なら400万近くプラスに。

しかし配偶者加給年金の条件として、夫の厚生年金加入歴が20年以上で、妻の加入歴が20年未満となっています。配偶者加給年金を受給したい歳の差夫婦の妻は、共働きを20年未満に抑える必要があります。

 

4. 老後の資金はいくら必要?

共働き夫婦の老後に必要な資金についてご紹介します。

老後に必要な生活費

総務省統計局の「平成29年度家計調査報告 世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)」によると、高齢夫婦無職世帯(世帯主平均年齢75.3)の1ヶ月の実収入と消費支出は以下の通りだそうです。

  • 1ヶ月の平均実収入:209,198円
  • 1ヶ月の平均消費支出(生活費等):235,477円
  • 1ヶ月の平均非消費支出(税金):28,240円

つまり毎月、54,519円の赤字になっているということです。最低でも263,717円の支出を覚悟しておかないといけないみたいですね。

老後に必要な貯金額

それではいくら貯蓄が必要なのか。

同い年の共働き夫婦だと仮定し、60歳で退職し65歳まで年金をもらわないとなると、その期間だけの必要貯蓄は、支出263,717円×12ヶ月×5年で15,823,020円。65歳から年金受給で90歳まで生きると仮定すれば、赤字54,519円×12ヶ月×25年で16,355,700円必要に。合計約3,200万円の貯蓄が必要になるということですね。

また、生命保険文化センターの「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」によると、「ゆとりある老後生活費」は月額34.9万円だそうです。

平均消費支出(生活費等)が235,477円なので、ゆとりある生活を送るために113,523円が毎月必要となるということは、113,523円×12ヶ月×30年で40,868,280円。先ほどの最低でも必要な貯蓄額と合わせると、約7,300円という結果に。

少子高齢化社会により、年金額が減っていくといわれています。年金受給中の赤字を覚悟して、最低でも3,000万円以上の貯金が必要みたいですね。

 

5. もしものことがあったとき

もしものことを考えるなんて……と思うかもしれませんが、その時突然何かあってからでは遅いため、一応知識だけは知っておくと安心ですよ。

もしも1. 夫が死亡した場合年金はどうなる?

18歳未満の子どもがいる場合、「遺族基礎年金」が受け取れます。また、「遺族厚生年金」も受け取れます(ただし、30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付)。

夫の死亡時に妻が40歳以上65歳未満で、子どもがいない・子どもが18歳以上の場合は、妻が65歳になるまで「中高齢寡婦加算」が加算されます。

もしも2. 妻が死亡した場合年金はどうなる?

18歳未満の子どもがいる場合、「遺族基礎年金」が受け取れます。夫が55歳以上の場合は、60歳から「遺族厚生年金」が支給されます(夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給可能)。

もしも3. 熟年離婚した夫婦の年金はどうなる?

離婚後2年以内に手続きすることで、婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を分割することができます。分割割合の上限は50%となっており、夫婦で話し合う必要があります。

 

共働き夫婦といっても、年金だけで老後のお金を賄うことは難しそうです。将来年金がどうなっているのかもわからない時代。60歳で退職した場合は、65歳になるまで貯金でやりくりするしかないため、最低でも60歳になるまでにはまとまった額の貯金が必要でしょう。

老後資金を年金以外でも確保するためには、ファイナンシャルプランナーに相談してみて、資金計画をたててみると良いかもしれません。何歳にどのくらいのお金がかかる、どのくらい貯められる……など目安になります。

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)等、積み立てや投資信託などの運用で、自分で年金制度を作ってみるのも良いかもしれません。60歳以降に年金または一時金で受け取ることができ、節税もできます。

老後のことはだれにも分かりませんが、「お金が必要」だということははっきりしているので、今から意識して老後資金を確保するようにしましょう。

 

参考:
日本の公的年金は「2階建て」
平成28年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
老齢年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
年金額の計算に用いる数値
は行 平均標準報酬月額
総務省統計局ホームページ家計調査報告(家計収支編)―平成29年(2017年)平均速報結果の概要
「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」まとまる
遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)
離婚時の厚生年金の分割
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