共働きは子どもの教育に悪い? 共働き家庭の子どもへの影響
夫婦のお悩み解決コラム共働きの育児で不安に思うことはたくさんありますが、中でも「子どもと過ごす時間が少なくなることへの悪影響」を懸念してしまいますよね。
寂しさから性格が変わってしまうのではないか、うまく教育できないのではないだろうか、子どもの学力に影響があるのではないか……そんなことを考えれば考えるほど心配な気持ちに。
ただ、それらのことは果たして本当なのでしょうか。本当に共働きは子どもにとって悪影響なのか。今回はそんな共働きの育児についてお話しします。
この記事でご紹介すること
共働きの子どもは「愛情不足」?
共働きの場合、子どもと接する時間がどうしても少なくなってしまいます。子どもの性格によっても異なるかもしれませんが、客観的に見ると専業主婦世帯に比べて寂しい思いをさせる時間が多くなるのだと思います。
子どもの目線になって考えても、朝早くから夜遅くまで保育園生活、親がいつも忙しそう……というのは、寂しいものかもしれません。
子どもに寂しい思いをさせることで、子どもが「愛情不足」を感じてしまう可能性が高いです。愛情不足の状態は、子どもにどのような影響を及ぼすのでしょうか。
コミュニケーションが苦手になる
肌で触れ合う、目を見て話しかける、一緒に遊んで気持ちを共感する……といった経験が少ないことにより、コミュニケーションの取りかたが分からず、他者と接するのが下手になる。
自分に自信が持てない
「愛されている」という無償の愛を感じないことにより、自己肯定感が低くなる。そのため自分に自信が持てず、消極的になってしまう。
子どもは愛情不足を訴えているかも
子どもが愛情不足のときのサインを見逃さないようにしましょう。ほんの一例をご紹介します。
- 爪噛み、指しゃぶり
- 大人(先生や他の親)に甘える
- わざと注目されるようなことをする
- うそをつく
- おねしょや夜泣き
また、かまってアピールが強かったり、イタズラばかりするのも、「こっちを向いてほしい」という子どもからの切なメッセージ。
対応に一苦労……ということもあるかもしれませんが、そんなときに「ちょっと待って」「なんで困らせるの!」とイライラすると、子どもにもしっかり伝わってしまいます。
それが愛情不足を加速させてしまう原因となるので、一回深呼吸して改めて子どもと向き合いましょう。子どもにとって、親と接することのできる大切な時間です。
共働きは子どもの教育に悪い?
愛情不足の問題を考えていくと、共働きは子どもの教育に悪いのかと不安になりますよね。しかし、そんなことはないそうなんです。
乳幼児期の子どもの反応に対しては、特定の人が抱っこなどの対応をすることで、愛情が育っていくのだとか。
特定の人というのは、家庭や保育園など環境はさまざま。共働きだからといって子どもが愛情不足に陥ったり、教育に悪影響をもたらすとはいえないということですね。
子どもとの時間は量よりも質
海外の研究によると、親子で過ごす時間と、子どもの学力・行動・情緒の安定には、なんの関係もないということがわかったそうです。
子どもと長く一緒にいられるほど良いと思いがちですが、大切なのは時間ではなく「子どもと何をして過ごすか」という質の面。
たしかに、1日中一緒にいる中で、子どもにはタブレットやテレビを与えて親は好きなことをする……というよりは、短時間でも子どもと一緒に遊んだり、絵本を読んであげるといったほうが、子どもの教育や情緒に良いでしょう。
共働きが子どもに与える良い影響
それでは共働きが子どもにどのような影響を与えるのか、「良い面」にフォーカスを当ててみましょう。
子どもの自立につながる
忙しくしているパパやママを見ていたら、「お手伝いをしよう」「できることはないかな」など自分で考え、行動できるようになるのではないでしょうか。また、子どもにお手伝いを頼むことで「頼られている」という自信にも。そういった自立心や生活力は、いずれ子どもが大きくなったときに役に立つでしょう。
働くママ・パパへのリスペクト
働きながら家のことをこなす両親をかっこいいと思いますし、「今日ママ、仕事でこんなことがあったんだー」という話を聞くことで、「仕事とはなにか」ということを学べます。「私もママ・パパみたいになりたい」と憧れてくれるかもしれません。
経済的なサポートができる
共働きのため、経済的に余裕ができることも。家族旅行に行ったり、子どもに塾や習い事をさせたり、志望しているところへ行くための経済的なサポートができたりと、「お金」の面で困ることが少ないのも、子どもにとって良い面ですね。
共働きの育児はとても大変ですよね。急いでいるのに子どもが言うことを聞いてくれなかったり、休みたいのにかまってほしそうにしたり。しかしそれは、子どもが成長しているという証です。
イライラしたらとりあえず深呼吸。そして「子どもと過ごす時間は量より質」を意して、しっかりコミュニケーション・スキンシップをとるよう心がけてくださいね。
参考:
スキンシップが重要! 愛情不足に陥った子どもの特徴と危険性
保育園の先生が我が子を「愛情不足の典型ですね」と鼻で笑った話。
児童精神科医が語る「親の愛情不足」への誤解
働くお母さんに朗報! 子どもと過ごす時間は「長さ」より「質」の方が大切