なぜモラハラ夫と離婚しないの? 苦しみながらも離婚しない妻の心理

夫婦のお悩み解決コラム

精神的に傷つけられるモラハラ。度重なる人格否定に、精神的に病んでしまう可能性がある重大な問題です。

しかし、夫にモラハラを受けているにも関わらず、なかなか離婚に踏み出さない妻もいます。それは一体なぜなのでしょうか。理由を紐解いていきましょう。

なぜモラハラ夫と離婚しないのか

離婚が認められる理由は、法律によって定められています。モラハラは民法第770条の5つ目、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」に含まれます。

モラハラは、法的にも離婚を切り出せる理由として認められているものなんです。では、なぜモラハラをする夫から離婚しない妻がいるのでしょうか。

モラハラだと気づいてない

モラハラの厄介な面は、「被害者が被害を受けていると気づきにくい」ところです。モラハラは、世間一般と比較して「おまえはダメなんだ」「社会で通用しない」「俺だから許してやるんだ」など、被害者が社会的・人間的に劣っている存在であると思い込ませる言動です。

そのため、モラハラ被害者は、「わたしがダメだから」と思い込みやすく、自分が被害に遭っていることに気づきにくいようです。

夫からモラハラを受け、辛い思いをしていたとしても、「でも、悪いのはわたしだから……」という思考になってしまっているのですね。

収入面の問題

現実的な問題として、収入面も離婚に踏み出せない原因のひとつです。会社勤めをやめ専業主婦やパート・アルバイト勤務をしている場合、離婚したあとの経済面は不安なもの。

また、そうした経済的な弱さがあるために、モラハラが加速している可能性もあります。

さらに、モラハラによって「こんなわたしが社会に出て自立してやっていけるわけがない」と思わされてしまっていると、離婚しても生活していける自信がない」と二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。

子どもの問題

「両親が揃っているほうが、子どもにとって良いのではないか」というのは、離婚を前にしたとき誰しもが思うことでしょう。子どもの存在が離婚に踏み出せない理由になっているのかもしれません。

客観的に見れば、どんなに良い父親だったとしても、母親が父親からモラハラを受けている環境は、子どもにとって好ましいものではないですよね。

しかし、「自分はダメなんだ」と思い込んでしまっていると、自分ひとりでも子どもを幸せにする……という思考には行きつきにくいでしょう。

離婚のハードルが高い

「離婚します」「わかりました」で済めば話は簡単なのですが、そうスムーズにいかないのが離婚です。

心身ともに健康な人であっても、離婚の手続きを済ませるのには肉体的・精神的なダメージを受けるもの。

モラハラ被害を受けている妻は、心に傷を負った状態。「何かをしよう」という活力がすでにないという人もいるでしょう。そうした妻にとって、離婚に踏み出すことは、ハードルがかなり高いといえるのではないでしょうか。

 

モラハラ夫と離婚しない妻の心理

モラハラ夫と離婚しない妻の心の中には、どのような思考回路が働いているのでしょうか。

被害者になりやすい体質

どれだけ健全な人間であったとしても、長期にわたりモラハラを受け続ければ、精神が蝕まれていくものです。しかし、モラハラを受け始める前から被害者自身の性格や生い立ちによる性質がダメージを深く受けやすいものである可能性も。

代表的な特徴が、「自己肯定感の低さ」や「我慢強さ」「同情を愛情・友情と錯覚しがち」などです。

自己肯定感が低い人は、相手が加害者であったとしても、無視をしたり切り離したりすることが苦手な傾向にあります。また、何かトラブルが起きた際に、「わたしが我慢すれば丸く収まるから」という選択肢を取りがちな人も、モラハラ被害を受けやすいといえるでしょう。

「同情の錯覚」は、「この人もかわいそうな人なんだ」と思う感情を、相手への愛情や友情だと思い込んでしまうこと。理不尽な対応をされても、「でも、わたしも悪かったし」「この人もつらかったんだろう」と思うことで、なかなか相手を拒絶できないわけですね。

もしかして共依存恋愛?

共依存恋愛とは、両者がお互いに依存しあっている恋愛関係のこと。「ずっとそばにいて、離れないで」「おまえじゃなきゃダメなんだよ」と、強く相手に求める側が依存状態にあるのは、はたから見ていてもわかりやすいでしょう。

共依存恋愛は、こうした「求める側」に対し、「応える側」も「相手に求められること」に依存している状態を指します。

「この人はわたしがいないとダメなの」とつい世話を焼いてしまい、相手を自立させようとはしない……モラハラでいうと、本来お互いのことを思えば、距離を置いてみたり、突き放してみたりするほうが愛情であるにも関わらず、それができないといったところでしょう。

妻は理不尽なことをするモラハラ夫に依存し、モラハラ夫も妻に依存しているといった夫婦関係になっている可能性も高いです。

 

どうすれば改善できる?

モラハラは、あくまでも加害者が悪いものです。被害者側が「わたしが悪いから」と思う必要はありません。

しかし、被害者側の対応を変えていけば、徐々にモラハラを軽減させられる可能性もあります。

例えば妻が必要以上に、夫の顔色をうかがってしまっている場合。意見や本音をすべて飲み込み、夫の意見がすべて通る状態になっている可能性が高いです。

このような環境では、「俺が正しい。俺の考えは絶対だ」「こいつは何も決められないから、俺が決めてやるんだ」といったモラハラ夫の思考回路を増長させてしまうのではないでしょうか。

「夫が主張し、妻が従う」といった関係性を由来とするモラハラであるならば、妻が再び夫婦の関係性を築き直していくなかで、モラハラが軽くなっていく可能性もあるのです。

ただし夫によっては、妻が変わろうとすることを許容できず、DVに発展してしまうこともあるでしょう。

また、夫がモラハラをしてしまう原因は、夫の精神疾患にあるかもしれません。無理に「わたしが何とかしなければ」と思いつめず、夫婦カウンセリングやモラハラの相談窓口、必要時には弁護士の力を借りる勇気も必要です。

 

参考:
民法(電子政府の総合窓口)
DVやモラハラ被害に遭いやすい人とは?4つの心理学的特徴と対策を解説します(オンラインカウンセリングのcotree(コトリー)
「共依存恋愛」とは? 危険な共依存カップルの特徴と克服方法(マイナビウーマン)
共依存チェック(恵比寿メンタルカウンセリング)

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