育児休業の取得条件と受給金額の計算方法、申請方法の流れとは?

夫婦のお悩み解決コラム

子どもができると家族が増える喜びの半面、働くパパやママには子育てと仕事の両立という不安や心配もでてくると思います。そんなときに考えるのが「育休」こと育児休業制度についてではないでしょうか。

子育てと仕事について、家族や自分に合ったスタイルを見つけるために、育児休業制度について詳しくみてみましょう。

育児休業制度について

育児休業制度とは、労働者の子どもが満1歳に満たない場合に、養育のため休業することができるという制度です。労働者であれば、性別の関係なく会社に申出することができます。

育児休業設立の背景

設立されたのは70年代でしたが、公務員や決まった職業の女性だけが対象であったため社会に浸透することはありませんでした。しかし、1991年に全ての労働者を対象とした「育児・介護休業法」が制定されました。

「育児・介護休業法」とは、仕事と育児、あるいは仕事と介護を両立できるように支援するための法律です。仕事か生活かの取捨選択ではなく、「ワークライフバランス」としてどちらも充実、または両立することを目的としてつくられました。

育児休業と育児休暇の違い

育児休暇は育児のためにとる有給休暇などのことで、法律の適用外となります。一般的に「育休」と呼ばれているのは「育児休業」。労働者が育児のために仕事を休業することをいいます。

育児休業の取得率

育児休業制度の規定のある事業所は年々増えており、平成28年度には95%近くまで増え、規模が大きい事業所ほど規定しているところが多いようです。

それに伴って、育児休業を取得する女性も増えており、平成28年度には約80%の女性が育休を取得しています。男性の育児休業取得率も年々増えてはいますが、全体で5%に満たないのが現状です。

 

育児休業の取得条件は?

取得には条件があります。正社員の場合は以下2点を満たしていなければなりません。

  • 同一事業で1年以上働いている
  • 1週間に3日以上勤務している

また、契約社員や派遣社員、パートなどの場合は上記に加え、さらに3つの条件をクリアする必要があります。

  • 子どもが1歳に達する日を超えても、引き続き雇用が見込まれること
  • 子どもが1歳6ヶ月になるまでに契約期間が満了になることが明らかでないこと
  • 契約が更新される場合は、更新後の契約期間が子どもが1歳6ヶ月になるまでに満了することが明らかでないこと

派遣社員の場合、派遣先が変わっていても、派遣元で1年以上働いていれば同一事業で働いていると見なされます。

取得除外者の条件とは?

取得除外者の条件は、雇用保険未加入の場合や日々雇用である場合です。また、入社1年未満であること、子どもが1歳を超えても雇用される見込みのない場合、あるいは子どもが1歳に達する日から1年が経過するまでに、雇用満了を迎えて更新されないことが明らかな場合も取得除外者となります。

労使協定を結んでいる場合、入社1年未満、申し出の日から1年以内に雇用関係が終了するのが明らかな場合、また、1週間の所定労働日数が2日以内の場合は、取得除外者となります。

 

育児休業中の給料はどうなる?

基本的に、育休中のお給料は会社からはでることはありません。そのため、「育児休業給付金」という制度を利用します。

賞与はどうなる?

賞与の規定については会社によって様々ではありますが、賞与の算定期間中に勤務実績がある場合は、その実績に応じて支払われるというケースが多いようです。ただし、算定期間中に全く勤務していない場合は0円という場合もあるかもしれません。わからない場合は、直接会社に確認しましょう。

また、育休中に賞与を支給される場合、賞与から社会保険料が控除の対象となりますので、育児休業社会保険料免除制度の申請をおすすめします。

 

育児休業の期間はいつからいつまで?

期間は原則的に、子どもが誕生してから満1歳になる前日までとされています。

ただし、子どもが1歳になった後も休業が必要と判断された場合は、1歳6ヶ月まで延長することができます。その場合は、育児休業が終わる2週間前までの申請が必要です。

最長期間は2年

1年6ヶ月の延長と同様に、保育所に入所できなかった、あるいは子どもの面倒をみてくれる人がいないなどの理由で休業が必要だと判断されれば、再度申請をして最長期間として2年間の育児休業を取得できます。

育児休業の延長要件

育児休業を延長せざるを得ない要件として、保育園に入所の申請をしたにも関わらず定員がいっぱいで入所できなかったり、面倒を見てもらう予定だった人や配偶者が疾病、負傷などで子どもの世話ができなくなったことなどがあげられます。

2017年3月(平成29年)の法改正で育児休業期間が延長に

平成29年3月の法改正により、今までは原則として1年とされてきた育休の期間が、最長で2年まで延長が可能になりました。保育園に入所できず、職場にも復帰が難しいとされてきたママやパパの負担が、少しではありますが軽くなったといえるでしょう。

育休延長については、以下の記事で詳しく説明しています。

>育休延長が最大2年に! 改定ポイントをまとめて紹介

 

男性も育児休業を取得できる?

育児休業は、労働者であれば男女関係なく取得できるよう定められています。

取得条件を確認して、条件を満たしているなら会社に申出してみましょう。

パパ休暇とは?

パパ休暇とは、ママの出産後8週間の期間内にパパが育児休業を取得した場合に、特別な事情がなくてももう一度育休を取得できることです。

  • 子どもの出生後8週間以内に育児休業を取得していること
  • 子どもの出生後8週間以内に育児休業を終了していること

この2点が守られていれば、再度育休の取得が可能です。

 

パパ・ママ育休プラスとは?

パパ・ママ育休プラスとは、両親が共に育休を取得する場合、子どもが「1歳になるまで」の休業期間が「1歳2ヶ月に達するまで」に延長できる制度です。

  • 育児休業開始日が、子の1歳の誕生日前であること。
  • 育児休業開始日が、配偶者の育児休業の初日以降であること。
  • 配偶者が子どもの1歳以前に育児休業を取得していること。

しかし、パパかママどちらかが専業主婦である場合や、育児休業を認められていないと申請することはできません。

 

取得時期のパターン

取得にはどのようなパターンがあるでしょうか。3つ考えてみました。

1. 両親の育休時期をかさねる

ママ:産後休8週間を含め子どものお誕生日前日まで育休

パパ:子どもが2ヶ月を過ぎたころから1歳2ヶ月まで育休

2. 両親の育休を間をあけて取得する

ママ:産休8週間の後、育休を早めにきりあげ職場復帰する

パパ:ママの職場復帰後はしばらく祖父母に預けるなどしてから、子どものお誕生日前から1歳2ヶ月まで育休を取得

3. 複数回、育休をとる

ママ:産後休業直後に復帰し、そのあとに育休を子どもが1歳2ヶ月まで取得

パパ:ママ出産後8週間の間に育休を取得、ママと同時に復帰した後「パパ休暇」を使い2度目の育休で子どもが1歳2ヶ月になるまで取得

など、夫婦で育休を同時期に取得したり、交互に取得という形もとれます。

パパ・ママ育休プラスの条件と、パパもママも育休の最大日数が1年間であることを忘れなければうまく時間を使って過ごせるはず。

何か不安な点がある場合は、各都道府県の労働局の雇用環境・均等部へ確認してみると良いですよ。

 

育休復帰後はどうなる?

パパもママも育休期間が終了すると、いよいよ職場復帰です。職場に戻る前にどんな準備をしておくべきか考えておきましょう。

育休復帰前に考えるべきこと

まずは復帰後、働いている間子どもの面倒を誰にみてもらうかを決めなければいけません。祖父母に預けるか、保育園に入所させるかを話し合う必要があります。

また、子どもは急に熱が出たり体調をくずしたりしやすいです。かかりつけ医やかかりつけの小児科を見つけ、その情報を家族で把握できるようにしておくと安心です。

さらに、共働きになると仕事に時間をとられる分、忙しくなります。家事や育児方法はあらかじめ役割を決めておき、「パパだけ」や「ママだけ」の負担にならないように話し合っておきましょう。

育休復帰後に起こること

育休復帰後、はじめのうちは様々な問題が起こります。職場を離れている間に人事ややりかたが変わっているかもしれません。時間をもらえるら、事前に直接の上司に挨拶に行き、復帰後の働きかたなどを聞いておくのも良いでしょう。また、復帰後の職場での挨拶はしっかり考えておきましょう。

あらかじめ分かっている子どもの予防接種や保育園の行事などの予定は職場に早めに伝え、仕事を調整ましょう。また、子どもは病気にかかりやすいものです。いざという時に困らないように、お互いの退社時間や両親に協力を頼んでおくかなど確認しましょう。そのほかにも地域のファミリーサポートや病理保育なども事前に確認して情報を共有しておくだけでも安心できます。

保育園への預けかた

保育園へ入所したい場合は、地方自治体のWebサイトなども活用して応募時期や金額などを確認しましょう。また、慣らし保育や必要な持ち物も保育所によって違います。余裕をもって準備できるように、早めに行動しておきましょう。

育児短時間勤務制度を利用

育児短時間勤務制度とは、3歳未満の子どもを養育している労働者が使える時短制度です。

平成28年度に改正された法案で、育児休業を終えた労働者から申出があった場合、事業主は所定労働時間を短縮する措置をとらなければなりません。仕事と育児を両立させるためにも、嬉しい制度ですね。

子の看護休暇を利用

看護休暇とは、小学校就学の始期に達するまでの子どもを養育する労働者が、1年に5日(こどもが2人以上の場合は10日まで)子どもの看護などを理由に取得できる休暇です。半日単位か1日単位で申出できます。

 

育児休業給付金とは?

育児休業給付金とは、育児休業を取得したパパやママの生活をサポートしてくれる雇用保険の制度です。

計算方法は以下のとおり。

  • 育休が始まって180日目まで:育休に入る時点の標準報酬月額の67%×休んだ月数
  • 育休が始まって181日目以降:育休に入る時点の標準報酬月額の50%×休んだ月数

給付の対象者

給付の対象者は育児休業を取得したパパ、ママです。2人で育休を取得した場合も、それぞれの給付金が支給されます。

条件は以下のとおりです。

  • 雇用保険に加入して保険料を支払っている。
  • 育休を取得する本人が、育休に入る前の2年間のうちに11日以上働いた月が12ヶ月以上あること(転職した場合は空白がないこと)
  • 就業している日数が対象期間中に10日以下であること(終了する月は休業日が1日でもあればよい)
  • 育児休業後に働く意思があること

育休中に会社から標準報酬月額の8割以上をもらっている人は対象にはなりませんので注意しましょう。

給付期間

給付期間は育休期間中なので、基本的には1年間です。ママの場合は産後休業(産後57日目)から子どもが1歳になるまでです。パパ・ママ育休プラス制度を使う場合は1歳2ヶ月までとなります。

1歳半でも保育園に入れなければ延長

保育所に入所できなかったなど、配偶者の死亡、あるいは疾病・負傷などにより育休期間が延長する場合、その期間中も支給対象となり、育児休業給付金が支給されます。

支給日

初回は申請を行ってから1週間~10日後になります。その後は2ヶ月おきになります。

育児休業給付金の手続き方法

育児給付金は雇用保険から支払われるため、会社が本人の代わりに手続きを行ってくれることが多いようです。会社の総務や人事の人に相談してみましょう。

自分で提出する場合、「育児休業給付金支給申請書」「賃金月額証明書」、「育児休業資格確認票」などの書類が必要になります。提出先は会社の所在地を管轄している公共職業安定所(ハローワーク)なので、わからないことがあればそちらに確認してください。給付金の申請手続きは2ヶ月ごとに必要になるので、忘れずに申請してくださいね。

また、育休期間を延長することになった場合は早めに会社や公共職業安定所につたえて延長の申請をしましょう。

2人目以上の場合

第一子の育休中に第二子を妊娠した場合に育児休業給付金を受給できるかは、第二子出産のタイミングによってかわってきます。第一子の育児休業期間を延長して第二子を出産した場合、育児休業給付金は第二子の育休中に受け取れます。

第二子の出産が第一子の育休明け1年未満の就業期間の場合は、育児休業給付金は対象外として支給されません。第三子以降も同じように、産休前の1年は働く、あるいは育休の延長上で出産しなければ、育児休業給付金の支給は難しいようです。

育休中に妊娠した場合は、会社にきちんと妊娠の報告をしてから、相談するのが良いでしょう。

 

育休・出産に関わるお金周りの制度

子どもを育てるのは幸せなことですが、お金かかるものです。申請して免除できたり、給付金の支給が可能な制度はきちんと確認しましょう。

社会保険料の免除

育休中は、会社の申し出によって社会保険(健康保険・厚生年金保険)料が事業主(会社)も被保険者(育休申請者)も徴収されず、免除期間となります。

これは、育児・介護休業法の中で決まっていることで、産休中の保険料も免除となります。

社会保険料の改定

育休が終わって職場復帰した際に、給与額が減った場合にも一定の要件を満たせば標準報酬金額の見直しが認められます。これを「育児休業等終了時報酬月額変更」といいます。

育児休業後は保育園の送迎などで勤務時間が短くなるなどして、休業前よりも給与額が減ることがあり、給与額に見合わない社会保険料の支払いなどが起こらないために、このような救済措置がとられています。

育児休業給付金

育児休業中は給与が出ないため、雇用保険から生活を補助するために支払われる給付金です。要件を満たせば支給されるものなので、面倒がらずに申請したほうが良いですよ。

出産育児一時金

妊娠・出産は病気ではないため健康保険が適用されず、全額自己負担となります。健康保険法に基づく給付として、まとまった支出となる出産費用に一定額として支払われるのが、出産育児一時金です。子ども1人につき、42万円が受け取れます。

児童手当

児童手当とは、「家庭における生活の安定」と「次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上」を目的としたものです。児童手当を受給できるのは、生計を維持する程度の高い者で、子どもが0歳~中学校修了まで受給されます。

出産手当金

働いているママの出産中(産前42日、産後56日)は給与がでない会社がほとんどです。

その間の生活を支えるために、健康保険から支給されるのが「出産手当金」です。

対象者は、社員、契約社員やパート・アルバイトであっても、仕事を辞めずに勤務先で加入している健康保険の保険料を自分で支払っているママ。退職をした場合でも条件を満たしていれば出産手当を受給できます。

しかし、国民健康保険に加入している場合や家族の扶養に入ってる人は対象とはならないのでご注意ください。

申請時期は特に決まってないため、勤務先の健康保険窓口に相談しましょう。

申請期限は、産前・産後休開始翌日から2年間です。出産予定日が決まったら勤務先の担当者に話し、申請に必要な書類を受け取って医師や助産師に記入してもらったうえで申請書を提出しましょう。なお、申請してからすぐ受け取れるわけではないのでこちらも注意してくださいね。

 

児童扶養手当金・児童育成手当金

母子家庭や父子家庭の生活の負担を軽減するために手当金として経済的サポートをしてくれるのが、児童扶養手当金や児童育成手当金です。

児童扶養手当や児童育成手当は制度も目的は同じですが、行っている機関や内容が違います。児童扶養手当は国が行っているのでどの都道府県に住んでいても利用できます。

しかし、児童育成手当金は地方自治体で行っている制度なので、実施していない地方もあります。ない場合でも似たような制度はあるかもしれませんので、地方自治体のWebサイトなどを活用して調べてみてください。

申請方法は地方自治体によって異なるので、Webサイトや窓口で確認が必要。必要書類を揃えて申請し、申請の翌月から支給対象月となり、4ヶ月に1度支給されます。

会社の手当

勤めている場合であれば出産や育児に関しての手当もありますが、会社から出産の祝い金などがもらえる場合もあります。

会社から、という場合であればお返しなどは必要ないですが、もし上司や同僚、部下から受け取った場合は内祝としてお返しできるようにしたほうが良いでしょう。

 

まとめ:育児休業の基本的な流れ

育児休業の申請は、原則として育休開始日から1ヶ月前までに申出を行う必要があります。会社によって必要書類が違う場合もあるので、ある程度余裕をもって申請すると安心です。

育休が始まって2ヶ月たったら、育児休業給付金の申請をしましょう。会社で行ってもらえる場合は会社に確認を取ってみてください。

育休期間の延長の場合でも会社に報告をし、復帰までの流れをスムーズに行えるように、その都度の報告や確認はしっかりしておきましょう。

 

参考:
厚生労働省 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

厚生労働省 育児休暇 背景
厚生労働省育児休暇・休業の違い
厚生労働省育児休暇取得率
厚生労働省育児休暇取得条件
ハローワーク 育児休業 給付金

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