育児休業の取得率はどのくらい? 引き続き男性の取得率は伸び悩む

夫婦のお悩み解決コラム

働く女性にとっては一般的なものになった育児休業。男性でも取得する人は増えてきているようです。とはいえ、取得率はまだまだ女性に比べてかなり低いのが現実です。

実際に今、育休を取得した男性はどのくらいいるのでしょうか? そして、取得期間はどのくらいなのでしょうか。

男性の育休について、海外事情も織り交ぜながらご紹介いたします。

育児休業取得率はどのくらい?

男性の育児休業取得率は5.14%

厚生労働省が発表したデータによると、2017年度の男性の育児休業取得率は5.14%でした。比較が可能な1996年度以来で最高の割合です。

事業者別でみると、特に取得率が高かったのは、金融・保険業(15.76%)、情報通信業(12.78%)。厚労省は2020年度までに13%まで引き上げることを目標にしています。

一方、2017年度の女性の育児休業取得率は83.2%でした。こちらも前年度より上昇しています。出産後も仕事を続ける女性が増えているため、女性の育児休業取得率も変わらず上昇しているといえるでしょう。

育児休業取得率の推移

育児休業の取得率はどのくらい? 引き続き男性の取得率は伸び悩む

育児休業取得率の推移は以上のグラフのように、男女とも上昇傾向にあります。

女性では、特に平成19年度に大きく取得率が伸びています。この理由として考えられるのは、19年度から始まった育児休業取得推進等助成金の取り組みです。

育児休業取得推進等助成金は、育児休業取得者等に経済的支援を行った事業主を対象とする助成金。育児休業の取り組みを促進するために整備されました。

また、男性の育休は、まだまだ高い取得率とはいえないながらも少しずつ上昇傾向にあります。平成29年度に改正された育児・介護作業法など、さまざまな施策を国が打ち出している結果が表れているのでしょう。

子育て世代の男性では、「自らも育児にかかわりたい」と考える層も増えている様子。こうした変化に対応する会社も、徐々にではありますが増加しているんです。

 

海外での男性の育休はどうなっている?

日本の男性陣の育休取得率は上昇傾向といえども、まだ1割にも届きません。では、海外ではどうなっているのでしょうか。

スウェーデンは男性の90%が取得

福祉が充実しているイメージのスウェーデンでは、なんと90%近くの男性が育休を取得しています。

両親合わせて480日(約16ヶ月)が有給で取得可能。390日間は給与の80%が支払われます。480日のうち、男性が取得できる期間は3ヶ月間となっています。

また、日本のように1歳まで(保育園事情により2歳までもあり)と短い期間限定ではなく、8歳まで取得可能。2人目、3人目と子どもが増えるたび加算されるため、子どもが多い人ほど取得できる育休日数が増える計算です。

アメリカには育休制度はない?

スウェーデンとはうって変わって、アメリカには有給での産休・育休制度がありません。これは先進国の中で唯一です。

アメリカは州単位で法律が異なるため、州や民間企業単位で産休・育休を導入しているところもあります。

しかし、アメリカでは女性ですら数ヶ月で職場に復帰する例も少なくないのが現実のため、男性の取得が浸透するのは難しいという側面があるんです。

ただし現在では、日本の男性の意識が変わってきているのと同じく、アメリカでも若い世代では「父親も育休が必要」と考えている人が増加しています。この変化に応え、企業でも育休制度を充実化させる動きがみられています。

 

男性の育休取得が低い理由

女性では8割近くが取得する育休。男性では、権利があるにもかかわらず、今ひとつ取得率が伸びていない現状があります。一体なぜなのでしょうか。

金銭的問題

もっとも大きな理由が、経済的な問題でしょう。日本の夫婦では、女性よりも男性の収入が高いケースが多いもの。

育休期間では収入が勤務時よりも一定割合カットされるため、もともと収入が少ない女性が休み、男性が家計を支える役割を担うケースがおのずと多くなるのでしょう。

育休中の収入の保障率は50%。これでは、家計を支える収入源が父親の場合、おいそれと休めないのは仕方がないと言えそうです。

日本的雇用慣行の問題

もうひとつの理由が、出世問題です。終身雇用制度が崩れたとはいえ、日本の企業はまだまだ年功序列で昇進していく形が一般的。長期間育児休業で仕事を休むと、その期間が「マイナス」とみなされ、昇進・昇格が遅れてしまう懸念を抱く男性は多いでしょう。

女性であっても、産休・育休によるキャリアの遅れを気にする人は多いですよね。男性ではこの傾向が強まってもおかしなことではないと言えるのではないでしょうか。

パタハラが男性の育休を妨げ?

「パタニティ・ハラスメント」という言葉を聞いたことはありますか? 「パタハラ」とは、育休を取得した人に対するハラスメントのこと。日本労働組合総連合会が調査した結果、男性では11.6%が受けた経験が「ある」と答えていることがわかっています。

主な内容は、「育児のための制度を利用させてもらえなかった」というもの。上司からの「育児は母親がやるべきもの」「育休を取ればキャリアに傷がつく」といった発言、嫌がらせが中心です。

パタハラを受けた男性の6割以上が、結果的に育休の取得など、制度の利用を諦めたと答えています。職場がこうした雰囲気では、育休の取得率が伸び悩むのも当たり前だといえますね。

男性の育休期間は5日が多い

厚労省が調査したデータによると、平成27年度に育休を取得した男性のうち、もっとも多かった取得期間はなんと「5日」。およそ8割以上の男性が「1ヶ月未満」であったことがわかっています。

これでは、女性からすると「どこが育休!?」と思えなくもないですよね。育休というよりも、出産直後のサポートとして活用されているだけに留まっているのが現状です。

 

最後に

制度は整ってきているものの、まだまだ男性の育休が「ふつうのもの」になるまでには長い道のりが必要そうですね。

育休を気持ちよく取得するには、父親である男性の意識の変化はもちろん、会社全体の理解と働き方の工夫が必要不可欠。パタハラ問題も根深い現状を変えていくには、性別による役割の認識を変えていく必要があります。

今の子育て世代から少しずつ変えていくことが、未来の子育て世代が子育てしやすい社会につながっていくのではないでしょうか。

 

参考:
男性の育休取得5.14%、過去最高 17年度(日経新聞)
平成28年度雇用均等基本調査(厚労省)
平成27年度雇用均等基本調査(厚労省)
第2節 育児休業制度等についての取組を推進する(内閣府)
育児・介護休業法に定められた両立支援制度(イクメンプロジェクト)
育児・介護休業法について(厚労省)
スウェーデンがますます父親に優しい国に 育休が3ヶ月に延長される(HUFFPOST)
「父親の育休取得」、アメリカの意外な実態(東洋経済オンライン)
それでも男性の育児休業が増えない理由(第一生命)
顕在化してきた「パタニティ・ハラスメント」(マナビズ)

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