出生届の提出先はどこになる? 里帰り出産や旅先で出産した場合
夫婦のお悩み解決コラム赤ちゃんが生まれたことを公的に届け出る「出生届」。どこに出せばよいのか知っていますか? 里帰り出産などを計画している方のなかには、住んでいる場所を離れていても出生届を出せるのか、不安な人もいるでしょう。万が一外国などの旅先で生まれてしまったら? 平日に窓口に行けない場合は? など、疑問は尽きませんね。
そこでここでは、出生届の提出先や、提出先の違いによるメリット・デメリットなどをまとめてみました。
この記事でご紹介すること
出生届の提出先はどこに出せばいい?
まずは、出生届の提出先や受付時間など、基本的な事項についてみていきましょう。
提出先・受付時間
出生届の提出先は、赤ちゃんの出生地または本籍地、もしくは届出人の所在地の市役所、区役所または町村役場です。また、多くの市区町村では各役所の支所や出張所でも提出できます。ただし、自治体によって出生届の受付を行っている窓口の範囲は異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
出生届の届出人は基本的には赤ちゃんの両親です。しかし、提出のみであれば代理人がしても問題ありません。両親以外が提出する場合も、提出先は両親が提出する場合と同じです。
出生届の窓口での受付時間は、提出先の各役所の開庁時間内です。土日祝日や夜間などの開庁時間外には、各役所の時間外窓口で預かりを行っているため、提出は24時間365日できます。時間外窓口は各役所で違うので要確認です。
必要書類・持ち物
出生届を提出するときには、
- 出生届書(届出用紙)
- 出生証明書(出生届書の右欄に医師や助産師が記入したもの)
が必要です。
書類のほかに持参するものは、
- 届出人の印鑑(スタンプ印不可)
- 母子健康手帳
です。
母子健康手帳がなぜ必要かというと、出生届出済証明欄に記入してもらうためです。ただし、出生届出済証明には申請期限がないため、出生届の提出日に手元になくても、後日届出先の窓口に持参すれば証明の手続きをしてもらえます。
提出期限
出生届の提出期限は、赤ちゃんが生まれた日を1日目と数えて14日間です。期限最終日が土日祝日にあたる場合には、翌開庁日(土日の場合は翌月曜日)が期限となります。
正当な理由(重病や事故による負傷、自然災害など)なく提出期限を過ぎてしまうと、五万円以下の過料(罰金)が課せられることがあるため、注意しましょう。
14日の期限を過ぎて出生届を提出する場合は、まず、「戸籍届出期間経過通知書」に遅延の理由を書いて届出先の役所に提出します。戸籍届出期間経過通知書は役所から簡易裁判所に通知され、裁判所が過料を課すかどうかを判断します。
里帰り出産をした場合の提出先はどうすべき?
里帰り出産で住んでいる場所を離れている場合、里帰り先などの一時的な滞在地も「届出人の所在地」に含まれます。そのため、出生届の提出先は、
- 赤ちゃんの出生地または本籍地
- 届出人の住所地
- 里帰り先
のいずれかの市役所、区役所、市町村役場や出張所などとなります。
ただし、後で触れますが、住所地や本籍地以外の役所で出生届を出した場合、同時にできる手続きが限られます。里帰り出産をする場合には、里帰り先で届出をするのか、旦那さんなどが住所地で届出をするのかを、夫婦で話し合っておくとよいでしょう。
また、住所地以外で出生届を提出する場合には、届出人が窓口にくることとしている自治体もあるようなので、提出前に確認しておくと安心です。
旅先で出産した場合はどうなる?
旅先で出産した場合、旅先が赤ちゃんの出生地ないし「届出人の所在地」となり、出産をした土地の役所に出生届を提出することができます。
また、万が一交通機関(船を除く)の中で出産をした場合、交通機関から降りた場所で出生の届出ができます。船の場合は、船長が出生年月日や時間や場所を航海日誌に記して署名、捺印をし、入港地で手続きを行います。船が航海日誌を備えていない場合は、最初の入港地で出生届の提出が可能です。
ただし、住所地以外で出生届を出すと、改めて住所地でさまざまな手続きをする必要があります。提出期限内に住所地に戻れるようであれば、住所地で手続きをする方が便利です。
海外で出産した場合の出生届どうなる?
海外で出産した場合の、出生届の提出先や必要な手続きをみていきましょう。
申請方法
海外滞在中に出産した場合、出生届の提出方法は次の3通りです。
- 滞在先の国に駐在する大使や総領事の在外公館に直接提出する
- 滞在先の国に駐在する大使や総領事の在外公館に郵送する
- 本籍地の市区町村の役所に郵送する
届出期限は国内で出産した場合よりも長く、生まれた日を含めて3ヶ月以内。届出人は、赤ちゃんの父母(外国人も可)が原則です。
届出の際には、
- 出生届書(在外公館にも備え付けてあるほか、外務省HPでもダウンロード可能)
- 外国官公署発行の出生登録証明書または医師等作成の出生証明書の原本
- 外国官公署発行の出生登録証明書または医師等作成の出生証明書の和訳文(訳者の署名、押印が必要)
など
それぞれ2通ないし3通(新本籍を設ける場合など)必要です。
注意事項
海外で出産した場合、出生の届出とともに「日本国籍の留保」という手続きを行わなければ、赤ちゃんの日本国籍が失われる場合があるため、注意が必要です。
海外出産で日本国籍の留保が必要なのは、
- カナダやブラジルなど、出生と同時に生まれた国の国籍が自動的に与えられる国で出産した場合(生地主義)
- 両親のいずれかが外国人で、親の本国の国籍が自動的に与えられる場合(血統主義)
など。
日本国籍留保の手続きは、出生届書の「その他」欄に「日本の国籍を留保する」と記入して、署名押印すれば行えます。
日本国籍を留保した子は日本国籍と外国籍の両方を持ち、22歳までにどちらかの国籍を選択することになります。
出生届の提出先によってなにか変わる?
出生届の提出先によっては、後日改めて窓口を訪れ、出生にまつわる諸手続きを行う必要があります。
また、時間外窓口では出生届出済証明が即時に出ない、後日修正が必要になる場合があるなどのデメリットが発生する場合もあります。
出生届をいつどこで出すのがベターなのか、以下で提出先によるメリットもみていきましょう。
住所地で提出するメリット
出生届を開庁時間内に住所地の役所に提出すると、住んでいる自治体が行っているサービスや制度の手続きを、同時に行うことができ、便利です。
具体的には、
- 児童手当・乳幼児医療費助成制度などの手続きが同時にできる
- 出生を広報に掲載できる(市町村による)
- 予防接種や健康診断などの書類などがその場でもらえる
などのメリットがあります。
また、提出地から住所地へ届出書を郵送するワンクッションがないため、
- 住民票が即日発行できる
- マイナンバー通知カードを早く受け取れる
といったメリットもあります。
本籍地で提出するメリット
本籍地で出生届を提出すると、出生届書を本籍地まで郵送する必要がないため、戸籍が作成されるまでの時間が短くなります。
自治体にもよりますが、おおよそ1週間ほども早くなるケースもあるようです。
戸籍謄本や戸籍抄本を早く入手したい場合には、本籍地に出生の届出をするとよいでしょう。
出生届の提出先や関連手続きは事前にチェック!
出生届は里帰り先や旅行先でも、現地の役所に提出することができます。しかし、住所がある場所以外の役所に届出をした場合には、ほかの手続きを同時にできない、住民票やマイナンバーの発行が遅くなるなどのデメリットもあるため注意しましょう。
また、時間外に提出した場合も、後日改めて各種手続きが必要になります。
のちのちの面倒なども考えに入れて、出生届の提出先やそのほかの手続きの段取りを夫婦で話し合っておくと、その時に慌てずにすみますよ。
参考:
法務省:出生届
児童手当制度の概要 | 構成労働省
戸籍・国籍関係届の届出について | 外務省
よくある質問 – 大野城市
新しく生まれた子のマイナンバー通知カードについて | 厚木市
戸籍の届出(出生・死亡・婚姻・離婚など)当日に戸籍謄本や戸籍抄本が欲しいのですが。 | 横手市
ライフイベント / 合志市ホームページ
赤ちゃんが生まれたら
出生 | 岩手県雫石町役場
千葉市:よくあるご質問(FAQ):出生の届け出には何が必要ですか。
子が外国で出生した場合の手続きを知りたい。|武蔵野市公式ホームページ
申請・届出の総合窓口
出生届の届出期間14日を過ぎて提出すると罰を受けるのですか? | 厚木市
出生届について | 立川市
出生届 | 津山市公式サイト
よくある質問 出生届の手続方法について知りたい。|あま市公式ウェブサイト
赤ちゃんが生まれたとき – 秋田県大館市
子どもが生まれた時の手続きはどうすればよいですか? | FAQ(よくある質問) |
戸籍法 – e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000224&openerCode=1#189
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000224#213
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000224&openerCode=1
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000224&openerCode=1#444