子どもの本音を探れ! コドモ博士の哲学トーク第6回

「お兄ちゃんになるってこんなキモチ」

夫婦のお悩み解決コラム

子どもの本音を探る親子の哲学トーク。今回は「お兄ちゃんになるってこんなキモチ」。親からすれば、上も下も可愛い我が子。でも当人からすると、特に上の子にとっては複雑な感情ばかりです。

 

今回はお兄ちゃんになって1年経つ5歳長男と、姉として育った筆者のキモチも入っています。

子どもの本音を探れ! コドモ博士の哲学トーク第6回 お兄ちゃんになるってこんなキモチ

ママは弟のほうが可愛い

ママ:お兄ちゃん1歳おめでとう! 今回はお兄ちゃんになってどんな1年だったか、話してもらえるかな。

 

K:「嬉しい、楽しい」なんて思うことは1%くらい。99%は「寂しい、辛い、ズルい」と思うことばかりだよ。

 

ママ:具体的には?

 

K:1番ショックなのはさ、ママはボクよりも弟のほうが可愛いんでしょ?

 

ママ:そんなことあるわけないじゃない!!

 

K:ウソだね、そんなこと言うのは今だけだ。弟が生まれる前は、ママはボクを1番に可愛がってくれた。何でもボクが1番で、何かあればすぐボクのところに来てくれて、ママはボクだけのママだった。

でも弟が生まれてからは、ボクはいつも後回し。何でも弟が1番で、ボクは2番目どころか、忘れられているときだってある。ママはボクより、弟のママになったんだ。

 

ママ:ママはKが大好きなのに…心の中ではそう思っていても、伝わっていないのね。

 

K:弟が生まれる前は、みんなが「楽しみだね」ってボクに言ってくれた。だからボクも、きっと楽しいことが起こると信じていた。でも、そうじゃなかった。ボクにとってはガマンだらけの、辛い日々が始まったんだ。

ママが大変そう

K:正直、ママに気を遣うようにもなったよ。ママは前より疲れているみたいだし、イライラしているときも多い。赤ちゃんが意味もわからなく泣いていたり、ご飯をこぼして遊んでると、ママは不機嫌になる。

ほんとはボクだってもっとママと遊んだり、抱っこしてほしいんだけど、言えなくなっちゃうんだ。

 

ママ:そうね、ママも心の余裕がなくなったと思うわ。

 

K:ボクも謝らなきゃいけないことはあるんだ。赤ちゃんが生まれて、急に色んなことが変わり過ぎて、変化についていけなくなって。ボクはどうすればいいのかわからなかったし、ボクの気持ちをどんな言葉でママに伝えればいいのかも分からなかった。赤ちゃん返りしたり、わざとワガママを言ってママを困らせたね。

 

ママ:子どもが謝る必要はないのよ。でもその気持ちをくみ取るには、ママにも心の余裕がなかったわ。

理不尽を覚える機会

K:あとね、よくわからないことも増えた。たとえば弟が泣くと、ママは何をしていても中断して、真っ先に駆けつけて「オッパイかな?」なんて優しく話しかける。ボクは泣いても後回しだったり、「これくらいで泣かないのよ!」なんて言われるのにさ。

あと、弟がボクの遊びを邪魔するから、ボクは弟に怒るんだ。そうするとボクはママに怒られる。悪いのは邪魔する弟なのに、何で弟は怒られないで、ボクが怒られるの?

弟はズルいよ! 赤ちゃんってだけで、何でも1番で、何をしても許されるんだ。

 

ママ:それを「理不尽」というのよ。理不尽な経験が、たしかに増えたわね。お兄ちゃんになるってことは、理不尽を覚える機会でもあるかもしれない。

 

K:「赤ちゃんだからわからないのよ」って、ママは言う。だけどボクだって「子どもだからわからない」んだよ。弟は赤ちゃんだからガマンしてって言われても、子どもだからわからない!

 

ママ:なるほど。「子どもだからわからなくて当たり前」ってことを、ママは分かってなかったわ。そう、赤ちゃんを育ててみて気付いたんだけどね。「0歳も5歳も変わらない」って思うのよ。

5歳になれば何でも1人でできるし、世の中のことも大体分かるよね。それでも中身は、まだまだ赤ちゃんと同じ。寂しがり屋で、ママの温もりが必要で、イタズラに見えることも「ただの好奇心」や「寂しさ」からやっているだけで。何でもできるから、つい大人と同じ理解を求めていたと反省しているわ。

 

提案:今回はマイナスな内容だらけでした。下の子が育つほど、きょうだいがいることのプラス部分は増えてきます。ただ下の子産後1年以内は、どうしても難しいでしょう。ママが完璧にフォローするというのも無理な話です。それを嘆くだけでなく、「理不尽さを学ぶ機会」などと見てはいかがでしょうか。

 

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