Mom’s Labインタビュー

「ママであることに自信を持ってほしい」、Mom’s Labが考えるワークライフバランス、働きかたとは?

20代は仕事に恋愛に一生懸命。適齢期でめでたく結婚。仕事で輝き始めたタイミングで出産するのは少し心配だけれど、きっとわたしなら家事と育児を両立できるよねっ!! 頑張るゾ!! …と信じて仕事復帰してみてはいいものの、両立って思っていたより過酷なんですよね。子どもの急な発熱でまともに就業時間まで仕事ができない。有給も消化してしまって、もうあとがない…

 

わたし、両立、舐めてたワ…

 

そうなのです。フルタイムで会社員をしながらの育児は難しい。いくら会社が協力的でも、「周りに迷惑をかけてしまっているのではないか」「やりがいのあるポジションをまかせてもらえない」などストレスだらけ。これならいっそ…

 

フリーランスになっちゃえばいいじゃない!? (ドドーン!!

 

ということで、SBヒューマンキャピタル株式会社が運営する新たな事業「Mom’s Lab(マムズラボ)」のコミュニティマネージャー 佐藤にのさんにお話しを聞いてきました。

Mom’s Lab(マムズラボ) は「ママ目線」「プロの専門性」をもったフリーランスチーム

山川

山川編集長(以下 山川):

Mom’s Lab SBヒューマンキャピタル株式会社の新事業として展開されているということですが、具体的にどういったプロジェクトですか?

佐藤

Mom’s Lab 佐藤さん(以下 佐藤):

全国各地で活躍しているママによる在宅型のマーケティング・クリエイティブチームです。デザイナー・ライター・PR等を専門とするフリーランスママが所属しています。

金延

ライター金延(以下 金延):

在宅型というと、ネット上で仕事のやりとりがあると思うのですが、クラウドソーシングですか?

佐藤

佐藤:

「インターネットを使って全国各地のフリーランスに仕事を依頼する」という広義的な意味ではクラウドソーシングと同じです。ただし私たちはプロジェクトの0から100までチームを組んで取り組みます。いわゆる従来のクラウドソーシングは、仕事の一部をネット上のシステムを介して個人に外注する仕組みですが、Mom’s Lab は一部ではありません。各専門分野のプロがチームを組み、企業と一体となって課題の改善や解決のための具体的なアクションに取り組みます。

(親切に応えてくださる佐藤さん。)

佐藤

佐藤:

報酬もいわゆるクラウドソーシングとは異なる体系を心がけています。一人ひとりにキャリアというバックボーンがあるチームですし、「ママ目線」という付加価値が強みです。「自社のサービスをファミリー層にアプローチしたいからこそ、サービスの土台作りを生活当事者でありクリエイターでもあるママ本人にお願いしたい」という企業からの依頼が中心になっています。

罪悪感に囲まれながら「それでも仕事をしなければならない」というママたち

20代はがむしゃらに仕事をして、31歳で子どもを産んだという佐藤さん。2013年厚生労働省の資料によると、東京都に住む女性の平均結婚年齢は30.4歳(全国 29.3歳)、平均初産年齢は32.2歳(全国 30.0歳)だという。女性の社会雇用が促進された結果の数字と言えるが、これこそが「ママのネガティブ落とし穴」をつくり出しているのだとか。

 

佐藤

佐藤:

いまは女性もしっかり働いてキャリアを積んでから育児に突入します。だから、産前産後における生活のギャップが激しいんです。社会との接点が急に不足してしまう。「自分には価値がないんじゃないかという不安」や「夫は働いているのに自分は家にいる罪悪感」が湧いてきてしまってネガティブ落とし穴にはまってしまうんですよ。家事育児をしながらも、妥協なく仕事をしたい。でもそれは会社員だと難しい。政府の生活支援で「働き始める支援」はしてくれるけど、「実際に働き続けている」ママの支援はまだまだ少ないし知られていない。頑張っているママを実生活目線でサポートする取り組みは、意外と少ない気がします…

山川

山川:

最近、ワークライフバランスにも注目が集まっていますよね。企業でも「ママ雇用」を推奨している企業も増えてきているように思います。

金延

金延:

「ママ雇用」でも、なかなか希望通りの仕事ができないこともあるようですね。「ママ採用をしている」と聞いて就職してみたけれど、自分の経験が生かせない仕事だったり、採用はされたけど労働条件が一般の社員とまったく同じだったという話も聞いたことがあります。

佐藤

佐藤:

会社側もとても苦心されているようですね。そこで「会社員は辞めて自分の力でやりがいのある仕事をしたい」と、一念発起してフリーランスになるママが昔より増えてきている気がしています。でもいざフリーランスになってみると、今度は自分の代わりがいないという現実が待っています。会社員とちがって時間に融通が利く反面、子どもが急に発熱したときに自分の代わりに仕事をしてくれる人がいません。

金延

金延:

めちゃくちゃわかります。わたしは独身時代からフリーランスだったのですが、子どもを産んでからは大きなプロジェクトの受注には慎重になりました。大きな仕事をしたいけど、子どもの事情で手が回らなくなったときにカバーしきれないかもしれないと思うと…怖くて断ってしまうこともあります。

佐藤

佐藤:

結局フリーランスになっても「ネガティブ落とし穴」がつきまとっちゃうんですよね。やりがいのある仕事を、周りに迷惑をかけずにしたい。けどできない。だけど「子どもや家庭の理由でできない」とは言いたくない。世の中は「支援するから頑張れ」という。だから一生懸命頑張っているけどどうしたらいいの? って。できないことが多すぎて八方ふさがりな中で、罪悪感で心が折れちゃうんですよね。一人ひとりの問題だから自分で解決するしかないけれど、フリーランスは“独り”だから難しい。

 

でもそうやって、何でも一人でやろうとすることが、働き続けられない原因のひとつだって思ったんです。じゃあ、フリーランスの自由度の高さはそのままで、それぞれの強みや得意分野ごとに、分担すれば、働き続けやすくなるんじゃないかと。

 

営業、進行管理、実務などを分担しながらチームでお仕事をする環境を整え、「頑張りたい!」「やりたい!」という気持ちに寄り添いながら、ワーキングママの“万が一の家庭の事情”を支える制度を整えていくことで、罪悪感の少ないお仕事環境が作れるはず。それがMom’s Labの原点です。

フリーランスママの責任感と「たたきあげ」根性はすごい。

佐藤さんは高校を出てすぐに音楽業界で働きだしました。右も左も分からないところから「音楽の仕事がしたい」という強い思いだけで業界に突き進んだ。そんな自分をみずから「たたきあげ系」だという。

 

佐藤

佐藤:

働きかたのロールモデルとしてメディアに登場されているママさんはたくさんいらっしゃって、どのかたも参考になりますよね。

 

でも実際に仕事の現場を支え、知識と経験を生かして働き続けているかたは、フリーランスにしろ雇用されているかたにしろ、わたしを含め「たたきあげ」系が多い気がします。

金延

金延:

言われてみれば… 私の周りにいるフリーランスは、学歴に関係なく社会に出てゼロから力をつけてきたかたが多いです。というわたしも、学生時代に「フリーランスデザイナーです」といきなり名乗って、現場で仕事を覚えていきました。教えてくれる先輩がいたことがないので自力手探りでここまできた感じです。

佐藤

佐藤:

そうそう、そういう「たたきあげ」を経たかたは、実績と「頑張りたい!」っていう気持ちの層が厚くて、とても頼りがいがあるんですよね。。道筋も可能性も何もないところから、がむしゃらに自分の力をつけてきたポテンシャルは相当なものです。Mom’s Lab には、そういう強い気持ちや想いを持ちながら、今でも働き続けているママがたくさん集まってくださっています。

心の通い合うママコミュニティでありながら、切磋琢磨してキャリアアップするチームでもありたい。仕事でいい成果を出すには、心の余裕と密度の濃いコミュニケーションが必須だという佐藤さん。Mom’s Labでは子育てや女性特有の悩みを積極的に共有し、仕事以外のコミュニケーションを大切にしている。

佐藤

佐藤:

ポテンシャルが高くて専門知識のあるママたちが、力を生かし切れない環境にあるとしたらそれはもったいないことです。お仕事に集中できる環境づくりをサポートすれば、もともと持っているスキルやセンスを発揮しやすくなります。

 

たとえば営業や交渉が苦手なかたがいれば、Mom’s Labがクライアントとの窓口業務を担うことで、クリエイターとしての仕事だけに専念しやすくなります。

 

また、お仕事でつながるだけではなく、心と心の通い合いこそ大事だなぁと思っています。とくに女性コミュニティでは「共感」や「たわいのない会話」が大切。育児中のちょっとした心のつぶやきを言い合えるだけで心に余裕がうまれますし、孤独からも解放されます。一人じゃないって実感できる心の繋がりがあることこそ、働き続ける動機づくりとして一番大切なんじゃないかな、って思っています。

金延

金延:

わかります。わたしも深夜に仕事をしていると、つい「息子がおねしょなう…」とかTwitterにぼやいてしまいますもん。慌てて削除しますけど…

山川

山川:

ただでさえフリーランスって孤独ですよね。ママじゃない僕でも孤独を感じるんだから、フリーランスのママは育児もあるのでもっと孤独を感じるのかも。仕事を通じて人と人の繋がりも促進するって素敵なことです。

「ママだからできない」ではなく、「ママだからできる」を仕事に。

話をすればするほど、佐藤さんから「なんでも包み込んでくれるオーラ」を感じました。これがママフリーランスのパワーなのか!?

ということで佐藤さんの胸に飛び込むつもりで、最後にライター金延の悩みを打ち明けてみました。

金延

金延:

そもそも論になるのですが、わたしは「ママ」を強みにしていいのかっていう悩みがあります。わたし自身、独身時代にフリーランスママに仕事を外注していたんですけど、「子どもが熱を出した」と言われたらしょうがなかった。外注したはずの仕事を結局わたしがフォローして納品する…ということが何度もありました。そんな経験があるので、自分がママになってから「ママ」を強みにすることに抵抗があります。

 

それとは別に、やらためったら「ママなんちゃら」という肩書きで活動している人も多い。でもそういう人って、生計を立てるというよりは自己実現に重きを置いてるイメージがあって… 逆に自分もそう見られてしまうことが嫌と言いますか…

佐藤

佐藤:

たしかに、ひとりのフリーランスとしての「ママクリエイター」だとまだまだ信用されにくいこともあるのかもしれません…。子どもの事情で納期が遅れるかもしれないし、急な対応に応えられないかもしれないですよね。でも、弱みと強みは表裏一体だと思います。ママならではの弱みをフォローできる志や体制があって、自分の能力という強みをお仕事として切り出す視点を持つことができればいいと思います。

 

Mom’s Lab で今活躍されているクリエイターさんたちは、あらかじめ、自分が働くことで誰かにしわ寄せがいくことを理解したうえで、そこをフォローしようと工夫し、強みをより磨く意識をお持ちのかたが多いかもしれません。「1人では厳しいけど、2人ならやれます」「スケジュール的に無理ですけど、来月ならできます」「こっちじゃなくて、これはどうですか?」って、個だけではなく全体を良くするための声を皆さん上げてくださる。心がタフな女性の集まりってことかもですね(笑)

山川

山川:

心がタフな女の集団!! というとなんだかすごく信用できますね。

 

一人ひとりだと厳しい。でも、2人、3人なら力を発揮できる。ママだけじゃなく“フリーランス”にも当てはまるかもしれませんね。

金延

金延:

たしかに…!!!

佐藤

佐藤:

Mom’s Lab ではプロジェクトのディレクターは2人体制をとり、クリエイターさんもサブを含め余裕をもってアサインすることがほとんどです。任された仕事は責任をもってやるのは社会人として当たり前なんですけれど、それを踏まえてもママにはどうしようもないときがあるから、罪悪感を持たずに「後は任せた!!」とサブに回せるような空気を作れるように努力しています。子どもが熱を出すのは悪いことではないですからね。環境が整っていれば問題ないですし、なにかあったときはお互いさまです!

 

でもまだまだ、クリエイターの皆さんにご迷惑をかけることもあります。だからこそ皆さんに“今足りないものは何か”“もやっとしたことはあったか”をしっかりヒアリングし、フリーランスのママが心地よく働ける仕組みと風土を作っていこうと試行錯誤しています。

 

Mom’s Lab を通して感じるのは、「ママ目線」を必要としているステークホルダーがとても多いということ。経営事情からママ雇用が難しい企業は多いからこそ、「ママ目線」ごとMom’s Lab にアウトソーシングしていただいています。「ママのことば、ママの感覚でアウトプットできるチーム」がMom’s Lab なんです。

金延

金延:

……!!!!!

 

(自分の悩みが Mom’s Lab の前では小さすぎて返すことばもございませんでした!!

2016323日にランサーズ株式会社が「Lancer of the Year 2016」で発表したフリーランスの実態調査によると、日本国内のフリーランス人口は1,000万人を突破。昨年より17%アップしました。男女比はほぼ五分五分。子育てメイン世代である30代の割合は、副業系フリーランスだと26%、完全独立型フリーランスで16%でした。

 

昨年からの伸び率をみれば、来年度はさらに増えそうです。「仕事と育児の両立」でお悩み中のアナタ、フリーランスママという選択肢はいかがでしょうか?

 

Mom’s Lab と佐藤さんの「包み込むパワー」に元気をもらった金延は、後日さっそく登録させていただきました。わたしも心に余裕のある「ママだからこそできる仕事」をしたいと思いました。

 

Mom’s Lab