Women Willレポート 第3回

柔軟な発想力は柔軟な働きかたから生まれる WomanWillサポーター企業「株式会社スペースタイム」

夫婦のお悩み解決コラム

同社は2014年10月から小さな子どもがいる社員などが時間に縛られずに働くことができる「専門業務型裁量労働制」を導入しました。実はそれ以外に特別なことはしていません。 「実績さえ出せば自由」という一見厳しい空気が、ママにも子どもたちにも自由を与えてスペースタイムをひとつの家族のようにしてくれた、と中村景子代表取締役社長はお話しして くれました。

柔軟な発想力は柔軟な働き方から生まれる WomanWillサポーター企業「株式会社スペースタイム」

社員の皆さんとの集合写真。前列左から2番目が中村社長

 

理系女子が活躍できるサイエンス・コミュニケーションという領域

中村さん:

スペースタイムが手がけている「サイエンス・コミュニケーション」とは、大学や研究機関 の扱っている情報を紙やWeb、イベントなど様々な形で一般のかたに分かりやすく届けるという仕事です。そのほか、子どもたちが楽しくサイエンスを学べるようなサイエンス&プログラミング教室も開催しています。

 

いま、社内には9名の社員がいますが、7人が女性。大卒3名、修士4名、博士2名と全体的に高学歴の社員が多いですね。弊社のスタッフには先端的で難解なサイエンスを理解して、それを様々なメディアを使って表現することが求められます。分かりにくい内容を誰にでも理解できるように翻訳できるようなセンスが必要なんです。

 

女性の場合、博士号や修士号をとっても、なかなか研究機関や大学など研究の世界で職を得ることは難しくて、せっかく興味を持って学んだり経験したことを仕事に活かせずにいるのが現状です。そういった女性にとって、サイエンス・コミュニケーターという職業が一人ひとりの学びを活かせる新しい仕事になればと考えました。

働きかたを自由にすることで、『いまの自分』にとってベターな時間の使いかたを

柔軟な発想力は柔軟な働き方から生まれる WomanWillサポーター企業「株式会社スペースタイム」

保育園お迎え後にオフィスに戻って仕事することも。

専門業務型裁量労働制を導入したのは、2年前。それまでは一般的な会社と同じで勤務時間が決まっていました。でも、どうしても残業問題が発生してしまうのが悩みでした。能力があってテキパキとクオリティの高い仕事をこなしていく人より、長時間働いている人のほうが仕事をしているように見えてしまうことがありますよね。それはおかしい。そう考えて、社員と一緒に裁量労働制について勉強し、自分たちの働きかた、仕事に適した制度にしようと考えたんです。それが、実績に対して評価できる専門業務型裁量労働制でした。

 

裁量労働制は自由な反面、自分で仕事の進捗を管理しなければいけないので個人の努力に委ねられる部分が大きいんですけど、それも仕事のやりがいと感じてもらえたらいいなと思っています。

 

弊社の裁量労働制は、毎月のお給料は固定でみなし残業がついています。極論、1日に1時間 しか働かなくても、10時間仕事しても差がありません。ボーナスだけは実績で評価するので能力によって差がでてきます。自己裁量で自由に仕事をしながら、モチベーションを維持できるという面ではすごく利点が多いですね。

 

極端に言えば、「仕事の実績だけで評価する」。実績が出せるのであれば、決まった時間にオフィスにこなくても構いません。子どもが急に病気になって遅刻したり早退したりしても、労働時間が決まっていないので、連絡さえしてもらえれば問題ないです。小さな子どもがいる人にとっては、育児と両立するために色々なことに折り合いをつけないと良い仕事ができないので、裁量労働制のメリットが大きいと思います。

厳しさもありますが、その分、自由でもあり思いっきり働ける制度なんです。

自然に大人と子ども、子どもと子どもが関係し合うオフィス

弊社では、特にオフィスに育児に関する制度を設けていません。でも、臨機応変に対応できるのが弊社の自慢のひとつ。「あと1時間仕事したいのに子どものお迎えが…」というよう なときは、お迎えに行ってから子どもと一緒にオフィスに戻ってきてもOKです。ハイハイするくらいの小さい子がいても大丈夫なように、オフィスは土足厳禁にして、気兼ねなく子どもを連れてこられるようにしています。

 

家に帰っても一人でお留守番になってしまうような小学生は、学校が終わってからお父さんの仕事が終わるのをオフィスで待っています。会議用テーブルで宿題や工作、ゲームをしながらお留守番をしているような感じです。子どもたちはみなとても良い子。他のスタッフや 来客の邪魔になることはありません。

 

子どもがすごく小さい間は、育児に比重を置きたいという時期があってもいいと思うんで す。子どもから手が離れたらバリバリ働いて、能力や実績をアップさせる。そんなことができるのも裁量労働制の良いところですね。

 

年齢が高い子どもが小さい子どものお世話をしたり、他の社員が相手をしたりするのは弊社にとっては当たり前。時間帯によってはオフィスが児童館のようになっています。年代の違う子ども同士で遊ぶ機会ができるのも良いところだと思っています。サイエンス教室で使っている道具で遊んだり、開発中のものを試しに使ってもらったりすることもあります。スペースタイムをひとつの家族のように、子どもたちと親にとって過ごしやすい環境にしていきたいと考えています。

柔軟な発想力は柔軟な働き方から生まれる WomanWillサポーター企業「株式会社スペースタイム」

裸足でもOKなオフィス。サイエンスの勉強も自然とできる。

 

会社で働く側、社員を雇う側、しばしば対立してしまうことがありますよね。でも、社員も経営者もひとつの家族として考えてみて欲しいです。家族ならみんなが幸せになるにはどうしたらいいのかを考えていけます。いまの環境は完成形ではない、ひとりひとりの事情を考慮しつつ、柔軟で有意義なスタイルを選ぶことができるんです。みんなが仕事を長く続けら れるように、お互いの状況を思いやれるチームであったら嬉しいです。

 

ライター所感:

周りの働くママの多くは、働ける時間に制限があるため、「もっとやりがいのある仕事を任せてほしい」「もっと稼ぎたい」というジレンマを抱えています。反対に、残業バリバリで働いているママは、子どもと過ごす時間がなくて罪悪感を抱えていたり…。スペースタイムのように、時間に縛られない代わりに、実績に応じた評価が得られる職場が増えれば、「子どもがいるとキャリアを積めない」とか「経済的な事情で子どもは生めない」という声も少なくなるかなぁと思いました。(ライター 柏木)

 

お互いの子どもの顔を知っていることは一緒に仕事する上でも、自然とお互いに思いやりが生まれそうですね。母であり、妻であり、女であるなんてよく言われることですが、女性に限らず誰もが、あらゆる面を持った存在なのに、働いてるとそのこと忘れられがちです。スペースタイムのようにそんな多面性を受け入れて、従来の働きかたに捉われない企業が増えていくといいなと思いました。(編集 村上)

株式会社スペースタイム

 

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