編集長コラム
身近な人には厳しい? 優しい?
夫婦のお悩み解決コラム先日母と電話で話していて、ひとつ気づいたことがありました。
母は「身近な人には厳しく、そうでない人には優しいほうが良い」。
僕は「身近な人には優しく、そうでない人には厳しくても良い」。
まったく逆の考えですが、よくよく話すと実は同じ考えかたをしていることに気づきました。
みなさんは身近な人には優しいですか? それとも厳しいですか?
そう聞かれても自分のことなんてわからないですよね。
僕も自分のことはわからなかったのですが、母がなんとなく「身近な人には厳しく。そうでない人には優しく」と話していて「僕とは違う」と返しました。
「僕は身近な人には優しくしたいし、そうでない人には厳しくても構わないって思うけど」
「そう? 関係ない人とは当たり障りないほうがいいじゃない。今後付き合わないんだから」
「当たり障りあってもいいじゃない、そのあと付き合わないんだから」
「身近な人はずっと付き合っていくから厳しく(優しく)、そうじゃない人はどうでもいいから優しいほうがいい(厳しくても構わない)」。
真逆のように見えて、対応は違うけど実は考えかたは同じなのかもしれない。不思議だなーと思いながら、そのまま話していてひとつ大きな違いに気づきました。
母は身近な人をライバルと捉えている。
僕は身近な人を仲間だと捉えている。
「これは世代もあるかもしれないね」
母は団塊世代で四人姉弟の次女、おかずひとつでも厳しい競争を勝ち抜いて来ていますが、僕は子どもの頃はバブル。一人っ子だったので、誰かと競争した記憶があまりない。
ゲームで言えば母は“対戦”モードを好み、僕は”協力”モードを好む。母はお互い衝突しながらも高め合っていくのが楽しい。僕はお互いフォローしながらクリアしていくのが楽しい。
相反する性格なので喧嘩もよくしましたが、30代も半ばになってきて「母がそういうタイプだったから良かったのかも」とも思います。もし母が身近な僕をライバルと思ってくれなければ、のんびりしていて悪い人に騙されやすかったかもしれない。
結局、「これはどっちが良い悪いはないね」と。
実は別の話でも似たようなことがありました。
僕はとても子どもが大好きなんですが、「自分は子どもが嫌いです」と話すかたがいたのでいろいろお話しを聞いてみました。
結果、考えていたことは一緒。
僕は子どもにも個性や考えがあるから対等に接する。嫌いですと仰っていたかたもまったく同じで「対等に接しているからこそ」と話してくれたものです。これも「どっちが良い悪いはないですね」と。
実は考えていることは同じだけど捉えかたが違うのかもしれない。そして、意外と長い目で見れば良い結果に向かっているかもしれない。そう思ってもやっぱり、僕は自分と同じ「身近な人に優しい人がいいなぁ」と思ってしまいます。
でも、いまの自分や以前ある記事にあったSM論を思い出すと「身近な人に厳しい人もいいなぁ」と思うトコロも。
「Sの人は厳しく接する自分を受け入れてもらいたい。Mの人はそんな人を受け入れてあげたい」
SがいるからMもいる。
補い合えれば、自分とタイプが違う人もいいのかもしれません。
経験上、タイプが違えば喧嘩になることも多くなりますが、お互い「身近な人」と考えているからこそ起きる「良い喧嘩」だと思います。