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ひとには言えない自分と、家族のヒミツ。うそについて考えてみるマンガ

先日テレビで、「友人代行」を副業にしているかたが紹介されていました。友人として結婚式に出席したり、または家族として婚約者の紹介の場に立ったりするそうです。依頼者は、誰にも言えない悩みや秘密を抱えるかたがたでした。

 

人は自分の家族について他人にうそのことを言ったり、逆に家族にうそをついたりするときがあります。今回はそんな「家族とうそ」のマンガを紹介したいと思います。

ひとには言えない自分と、家族のヒミツ。うそについて考えてみるマンガ

『ニコイチ』/金田一蓮十郎(スクウェア・エニックス)

ひとには言えない自分と、家族のヒミツ。うそについて考えてみるマンガ

小学生の崇くんのお母さん、須田真琴さんは近所でもPTAでも評判の美人。ワーキングシングルマザーとして、自分の両親の助けを借りながら崇くんを育てています。

 

しかしこの真琴さん、実は「お父さん」だったのです…。

 

主人公の真琴は、息子の崇にさえも自分が男性であることを隠し、「美人なママ」として8年生きてきました。そんな彼がある日女装のまま電車に乗っているとき、痴漢に遭った女性を助けたところからこの二重生活が波乱だらけに…。

 

うそをついている相手が非常に多く、さらに相手によって付いているうそが違うというややこしさ! そのためにピンチはたくさん、ハラハラドキドキの展開です。そしてあまりにも完璧に「ママ」をしているがために、本当の姿を息子に告げるタイミングをどんどん失っていきます。

女装といううそがあったからこそ、この8年息子と幸せに生きてきた。でもこの生活はうそだったと真実を告げてからも、いまのこの幸せな家族関係を続けられるのか…。

 

第1回目で紹介した『ラララ』と同じ作者、金田一蓮十郎さんの漫画。ありえない! という非現実的な設定を現実的に、そしてポップに明るく書き上げる漫画家さんです。またこの漫画と同じく、うそをついて二重生活をしている主人公が出てくる少女漫画、『ライアー×ライアー』もおすすめ!

 

> 『ニコイチ』公式サイトはこちら

『日南子さんの理由アリな日々』/水沢めぐみ(小学館)

ひとには言えない自分と、家族のヒミツ。うそについて考えてみるマンガ

 

『ニコイチ』が自分の家族に向けたうそだとしたら、自分の家族のことをうそにしているマンガは、『日南子さんの理由アリな日々』。

明るい主人公、日南子は転職した職場では20代で通していますが、実年齢は36! さらに日南子さんの家族構成は、母親と、娘と…孫。日南子さんは「未婚のおばあちゃん」だったのです!

 

日南子さんは若くして娘を産んだため、娘には長らく「姉」として接してきました。そのため、結構奔放に自分の人生を謳歌しています。そして仕事先で出会う、素敵な男の子。しかし彼に自分が「おばあちゃん」であることを言い出せません。

日南子さんは悩みます。娘も、孫もあんな素敵で可愛い家族なのに。どうして自分は世間に家族のことを黙り、うそをついているのか……。

 

あまりにも奔放というか、脳天気というか。そんな日南子さんに正直、読者に好き嫌いを持たせてしまうキャラクターでしょうし、ファッション誌でのバイトや出会う男性たちも、漫画ならではの設定・展開です。

ですが、若くしてママになったひと、シングルマザー(日南子さんは「グランドマザー」ですが)で恋愛中のひと、そんな人に世間が課してしまいがちな女性としての像を、ひらりとかわす日南子さんの姿には、逆に清々しさすら覚えます。まだ連載中(2016年8月現在)、今後がどうなるのかとても楽しみです。

 

作者の水沢めぐみさんの代表作といえば『姫ちゃんのリボン』。絵柄は変わっていないのに、主人公たちのファッションがとても現代のオシャレで可愛いのも見どころです。

> 『日南子さんの理由アリな日々』公式サイトはこちら

 

紹介した2作品はどちらも家族のことを考えたがための「うそ」でした。うそは絶対ダメ。そう教わりますし、さすがに法や倫理に触れるものは別ですが、うそをつかずに生きるって、すごく難しいことです。

 

でも、それがいいうそなのか、悪いうそなのか判断するのは誰でもない、うそをつかれた人だけです。第三者は、これらの漫画のような「エンターテイメント」と認識するぐらいが、ちょうどいいのかもしれません。